レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで ★★★

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで スペシャル・エディション [Blu-ray]レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで スペシャル・エディション [Blu-ray]
(2009/06/05)
レオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレット

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 アカデミー賞史上最多タイとなる11部門獲得、そして歴代興行収入NO.1の記録的な大ヒットとなった「タイタニック」。あれから11年の月日が流れ、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが改めて共演した作品が「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」である。

 「タイタニック」以降の2人は、ジャックとローズという固定化された自身のイメージを払拭するかのように、慎重に出演する映画を選び、演技の幅を広め人物の考察を深めていったように見えた。今作はその"脱タイタニック"の11年目の集大成でもあり甘いロマンチックな内容ではなく、アメリカ郊外型の結婚生活に巣食う現実的で重く厳しいドラマとなっている。蛇足だが、今作にはキャシー・ベイツも出演しているため、計3人が「タイタニック」からの共演となっていた。




*****以下、ネタばれ注意*****




 「レボリューショナリー・ロード」は物語の構成が珍しいもので、初めに少しだけ出会いのカットがあり、後は倦怠期の夫婦のすれ違いを長い時間を割いて描き続けていくのである。激しく言い争う様や、独り遠くを見つめる姿など、全体を通してシリアスな場面が多く、一息つく箇所・甘美な部分がほとんどない。物語のかなり早い時間帯でパリ行きを決断するなど、起承転結の"転"の状態が続いていくような感覚に陥り、話の着陸地点が全く読めなかった。

 また今作は、鑑賞する人の環境や経験、性別等によって大きく見方が異なりそうだ。未婚である自分にとってはケイト・ウィンスレットの言動が頭では理解できるのだが、恐らくは絶対的な気持ちの深度までは入り込まなかったのである。その部分こそがエイプリルの繊細さであり物語の肝だ。彼女の記号を読み取れるのか読めないか、また理解できる深度が鑑賞者に備わっているかどうかで印象も変わってくるだろう。夢を追うのが男性で現実を直視する女性、という一般的な概念を逆にした設定も新鮮味を感じるものだ。

 マイケル・シャノンの存在、そして一旦は修復できたかのように見せかけた朝食のシーンは特に素晴らしいものだった。フランクとエイプリルの齟齬を表現した朝食時の2人の微妙な表情の違い、気持ちのずれは、その後の展開を密かに予感させるものである。

 さて、最後まで鑑賞し終えると何気にキャシー・ベイツが怖い。「レボリューショナリー・ロード」という名前を借りた、都市伝説と言わんばかりに不気味な存在感があった。また補聴器の音量を静かに下げていくラストカットが記憶に残る。「相手の意見に反論せず、聞いているふりをしておけ。それが夫婦長続きの秘訣だ。」と画面越しに語りかけているように思えた。


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(2009/06/05)
レオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレット

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[ 2009/06/06 00:00 ] ヒューマンドラマ | TB(0) | CM(0)

地球が静止する日 ★

地球が静止する日 [Blu-ray]地球が静止する日 [Blu-ray]
(2009/05/02)
キアヌ・リーブスジェニファー・コネリー

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 地球が静止するように、劇場の空気が静止していたと思う。2008年の冬の映画として大々的に宣伝されていたわりには、物足りなさを感じる。宣伝費>製作費ではないかと疑ったほどだ。「地球が静止する日」は1951年製作、「地球の静止する日」のリメイク作品。原爆投下さらには冷戦状態という世界情勢を踏まえた人類への警告は、当時としては衝撃だっただろう。そこに環境破壊等のメッセージを盛り込み現代風にアレンジされているのだが…以下、今作落胆の理由を挙げてみた。




*****以下、ネタばれ注意*****




 ◆見せ場の少なさ
 最近、ハリウッド映画によくある"予告編が全て"という現象が今作でも起きていた。大規模なスペクタクルシーンが多く用意されているように煽るものの、予告編で見せたのが全部であり、それ以外の見せ場がない。地球崩壊のプロセスが描かれるのかと思えば、大量の微生物がトラックとスタジアムとビル群を少し、後は軍用機が数機、破壊された程度であった。冒頭に巨大なロボット型のゴートが出現した時には、これが暴れまわって大都市を壊すのだなとドキドキしたものだ。そういう意味では「宇宙戦争」のトライポッドの恐怖・動きは素晴らしいものである。


地球が静止する日 <2枚組特別編>〔初回生産限定〕 [DVD]地球が静止する日 <2枚組特別編>〔初回生産限定〕 [DVD]
(2009/05/02)
キアヌ・リーブスジェニファー・コネリー

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 ◆規模の小ささ
 地球規模の物語だがシーンごとの舞台がこじんまりとしていた。作品を思い返すと、鬱葱と茂る林のイメージがなんとも強い。他にも地下室や病室など、最後まで暗い閉塞感に包まれていた気がする。人類への攻撃を決定付ける指令をマクドナルドで受けるというのは、環境破壊のメタファーなのか、そのギャップが可笑しかった。また一般市民がほとんど登場しないため、世界の終焉を感じさせる気配が無く緊張感や感情に訴えかけるものがない。

 ◆俳優陣の温度差
 上記と同じ部分もあるが、全人類存続の展開のわりにはキアヌ・リーヴス、ジェニファー・コネリー、ジェイデン・スミス、キャシー・ベイツの4人で話が完結しているのが惜しい。それぞれの組織と立場が分かりづらく、且つ、4人の温度に差を感じてしまい噛み合っていない印象をうける。クラトゥが人類滅亡を止め、改心したきっかけがあっさりし過ぎていて、なんとも弱いものだった。

 1951年版と違い、1番最後に地球静止のシーンをもってきたのは印象的だ。"人間は変われる" 繰り返し使用された台詞だが、現状を見つめ直すためにも、一旦、歩を止める必要があるのかもしれない。


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[ 2009/05/06 00:00 ] SF・ファンタジー | TB(0) | CM(0)

ウォッチメン ★★★

ウォッチメンウォッチメン
(2009/03/25)
サントラジミ・ヘンドリックス

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 「ウォッチメン」を鑑賞しながら面白くないわけではない、といって特別面白いでもない不思議な感覚に陥った。地に足が着かないようなフワフワした心模様であり、映画を観ながらそのような心境になったのは初めてだった。ただ鑑賞直後に思ったことは、ザック・スナイダー監督を始めとして製作陣が惜しみない労力を注ぎ込み完成させたこと、そして「ウォッチメン」に対しての尋常ではない情熱である。163分という上映時間と併せてそのことはストレートに伝わってきたのである。

 フワフワした気分になったのは、物語の意味が理解出来なかったからだ。上映後パンフレットや雑誌で内容や意味を理解し、おおよそを飲み込めた辺りからじわじわと面白さが広がり、もう一度じっくりと観直したいという気持ちになった。

 1番分からなかったのは物語の設定が何年なのかということである。米ソが冷戦状態にありながら、オウルシップなるハイテク機器や気球が空を飛び、ニクソン大統領が政治の統制を行う。この奇妙な組み合わせが混乱を招いた要因だった。本作はパラレルワールドという設定での1985年のアメリカであり、ヒーローの居場所がなくなった世界でどのようにして勢力均衡(Balance of power)を保つかという物語なのである。

 舞台はニューヨークから火星へ、核兵器から原子まで、複数のキャラクターの視点・思想・哲学の果てまでエロスとバイオレンスを交えた濃い内容となっている。ロールシャッハの常に変化するマスクの模様、ベトナム戦争で巨大化したDR.マンハッタンとそこで流れるワルキューレの騎行、そして無駄に長いセックスシーン(笑)などアドレナリン全快のシーンは必見だ。

 仮に「ダークナイトリターンズ」の企画があるとして、クリストファー・ノーランが監督を辞退した場合にはザック・スナイダーに任せてみるのはどうだろうか。「300」の成功と「ウォッチメン」でみせたアメコミへの深い愛情、独自の映像センスを踏まえて、そう思ったのは自分だけではないはずである。


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Mi : 3 ★★★
マッチポイント ★★★

[ 2009/04/06 00:00 ] ヒーロー | TB(0) | CM(0)
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