スパイダーマン/ホームカミング ★★


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劇場内から「えっ!!」と声が漏れる


 もう一度観たい、アクションシーンがない。アメコミヒーロー映画になにを求めるかは人それぞれである。キャラクター、ストーリー、映像、様々ではあるが私としては、そのヒーローの特長を活かしたアクションシーンが重要なファクターであると思う。「ダークナイト」におけるバットポッドでのチェイスや「ワンダーウーマン」でのノーマンズランドでのシーンだ。そのように考えると「スパイダーマン/ホームカミング」では、映画の象徴ともいえるスーパーなアクションはなかったように思えた。

 中盤での真っ二つに裂けるフェリーのシーンがフレッシュではあるが、もう一度観たい、と唸る出来には至っていない。お馴染みの摩天楼スイングを多用しなかったのも2回目のリブート作品であるが故に、既視感が強いと判断したからだろう。「親愛なる隣人」がキャッチフレーズのため、全世界レベルの脅威ではなく自分の街を救うヒーローのスパイダーマン、彼の素早くトリッキーな動きとスイングを活かしたアクションを観たいものだ。




*****以下、ネタばれ注意*****




 ホームカミングではアクションシーンよりも、どちらかといえば人間ドラマに重きを置いており、さながら学園ドラマものだ。また、映画館内で観客の誰かが「えっ!!」と思わず声を漏らしてしまったのが、バルチャーの正体が明らかになった場面である。想いを寄せるリズの自宅玄関を開けると、そこにはマイケル・キートンが。全く予想しない流れとリズムだったので、作品内のみならず劇場の空気を正に一変させた展開である。その後のホームカミングパーティーへ向かう車内でのやりとりこそが、今作で一番の見所となった。マイケル・キートン怖ぇー、大人怖ぇー、とトム・ホランドに肩入れしながらビクビクと鑑賞したものだ。


■■関連作品■■
キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー ★★★
アメイジング・スパイダーマン ★★
アメイジング・スパイダーマン2 ★★

☆ 2017年中に観た映画ベスト3 ☆


 今年は念願のマイホーム完成!!に伴い、僅かながら自分の書斎のようなものをゲットすることができました。子供が寝静まった夜に映画鑑賞をしております。しかし日々の仕事や体調不良でなかなか本数は伸びず…といった1年でした。最近では映画館やDVD、ブルーレイでのディスク鑑賞に加え、iTunes Storeで動画レンタルもしています。通常のレンタルショップでは出会えないような、ドキュメンタリー等も手軽に観ることができ、嬉しい反面、劇場やレンタルストアといった従来の形態がどのようになるのかな…と少しばかり心配してみたり…。作品鑑賞のスタイルも数年で劇的に変化しそうです。そんな2017年に初めて鑑賞した映画のベスト3です。


☆2017年初めて観た映画でのベスト3

1. ブルーバレンタイン ★★★★
2. メッセージ ★★★★
3. マンチェスター・バイ・ザ・シー ★★★




ブルーバレンタイン [Blu-ray]


 1位は「ブルーバレンタイン」。日本公開2011年の映画を遅まきながらようやく鑑賞。なぜ今までスルーしていたのか激しく後悔する程に良くできた作品。なにより主演のライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズカップルの自然な立ち振る舞いに驚く。結婚前の2人の感情が高まっていく様子、結婚後の静かに壊れていく様子が、我々観客の人生の写し鏡のようで痛く突き刺さる。私は徹底したダイアローグで進むビフォアシリーズが好きだが、あの3作作品を1作にまとめたのが「ブルーバレンタイン」かなぁと。ただ「ブルーバレンタイン」には決定的な別離があり、良くできた作品なのに繰り返しては直ぐに観れない、ある種の劇薬のようにも思えた。それほどリアリティと普遍性に満ちた映画である。




メッセージ [Blu-ray]


 2位は「メッセージ」。宇宙人ファーストコンタクトものの映画である。未知なる生物との遭遇といった世界規模の出来事を1人の女性の視点に絞り、またSFものでありながら、実は上質なヒューマンドラマへと昇華する構成が感動を呼んだ。記憶に感情が伴うこと、また言語によって思考が変わること等、ここまで思案に暮れた映画も個人的には珍しかった。




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 3位は「マンチェスター・バイ・ザ・シー」。主人公のバックグラウンドはこれ以上ないほど暗いもの。物語のムードも暗くなりそうだが、絶妙のバランスでコメディ要素を挟んでくる辺りが今作の魅力である。シリアスなシーンでも必ず「えっ、ここは笑っていいとこ??」「このユーモア、このタイミングでいる??」と心をざわつかせるのが、ケネス・ロナーガン監督の作家性なのだろう。短い時間ながらミシェル・ウィリアムズの存在も記憶に残る。



☆2018年期待の映画☆

・スリー・ビルボード

 2018年、公開予定作品を眺めても、今のことろ突出してピンとくるものはなかったが、なんとなく久々にアクの強いフランシス・マクドーマンドが気になり「スリー・ビルボード」を挙げました。ビッグバジェット以外の映画も忘れずに鑑賞したいものです。

ダンケルク ★★★

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「監督」 らしさかクリエイトか


 「ダンケルク」を鑑賞した直後の感覚は「ゾディアック」を鑑賞した直後のそれに似ていた。私はデヴィッド・フィンチャー監督が好きで「セブン」や「ファイト・クラブ」にかなり傾倒していた時期があった。そんなフィンチャー監督の当時の最新作「ゾディアック」を鑑賞した時に、それまで多用していた、カット割りの速いスタイリッシュな映像や、ひねりの効いた展開がなく、過去に起きた実際の事件を淡々と追っていく内容に失望してしまったのである。

 「ダンケルク」を観ようと思う要因にクリストファー・ノーラン監督の新作だから、という人も少なくはないはずだ。ノーラン監督といえば「メメント」「ダークナイト」「インセプション」等、独自のルールがあるフィクションの世界をCGに頼らず出来る限り実物で撮影し、あたかもこの現実と地続きにその世界が存在するように見せる映像と、その圧倒的な世界で起きる物語のツイストやフェイク、時間軸を入れ替える構成に、比類ない刺激と魅力があるのだと思う。

 では今作はどうか。まず監督が初めて史実に基づいた題材を扱ったこと、また物語がキャラクターで転がす展開ではなく、状況のみで進める展開となっている点でノーラン監督らしさどころか、通常の映画でもあまりない構成となっている。「ゼロ・グラビティ」も近い気がするが、このようなビッグバジェットで、全くキャラクターに移入させず全編に渡ってのタイムサスペンスは異例中の異例だ。空想の世界の中で起こるツイストばかりをノーランに求めてよいのだろうか。クリエイターでもある映画監督は、やはり新しいものも追求しなければならない。

 初見時は失望した「ゾディアック」を公開から随分後に観返した際、「なんと面白い映画なのか!!」と考えが一変したことがあった。そしてその魅力を、当時分からなかった自分を恥じたりしたものだ。もしかしたら「ダンケルク」もそうなる可能性があるかもしれない。しかし劇場から一歩足を踏み出した際のあの感覚を、あえてここに記そうと思う。


■■関連作品■■
ダークナイト ★★★★★
インセプション ★★★★
インターステラー ★★★★

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