ファウンテン / 永遠につづく愛 ★

ファウンテン 永遠につづく愛ファウンテン 永遠につづく愛
(2008/06/06)
ヒュー・ジャックマンレイチェル・ワイズ

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 「ファウンテン」は当初、ブラッド・ピットが出演する予定だったがダーレン・アロノフスキー監督との方向性の不一致から、出演を断念したという経緯がある。その後、代わりにヒュー・ジャックマンが主演となったが、内容を見渡す限り彼が辞退した理由がよく分かった。

 ブラッド・ピットが降板した後、ケイト・ブランシェットも降板することになったのだが、いっそのことその豪華コンビでの「ファウンテン」観てみたかった気もする。頭を丸坊主にして、宇宙空間を背景に座禅をして瞑想をする姿はかなりのインパクトがあり、演じる側も相当な覚悟が必要だ。

 「π」「レクイエム・フォー・ドリーム」とスタイリッシュな作品を描いてきた監督が、ここに来て失速した原因はどこにあるのだろうか??前2作に比べ作品の出来が落ちた監督として、「CUBE」「カンパニー・マン」「ナッシング」の順番で製作したヴィンチェンゾ・ナタリ監督を思い出した。

 両者共にサスペンスやスリラーで斬新な物語を構築してきたが、コメディや恋愛など少しジャンルを変えただけで、表現方法が幼稚化してしまうのではないだろうか。ある感覚が秀でていて、得意とするジャンルはあるものの、その領域から外すと恐ろしく滑稽になるのだ。「レクイエム・フォー・ドリーム」で細かいカット割を駆使し、この上ない絶望感を表現した監督の力強さが、今回は見えず演出が散漫になっている印象をうけた。

 「ファウンテン」は主題としては大変面白そうなものだが、それを複雑に捉えすぎているように思う。期待の監督としてあえて難しい方にチャレンジしたのか、今作では個人的にはそのアプローチ方法に賛同しかねる。奇抜な画、丸坊主のヒュー・ジャックマン、興行的にも失敗しており珍作として語り継がれることになりそうである。


■関連作品■
プレステージ ★★★★
タロットカード殺人事件 ★
ニューオーリンズ・トライアル ★★★
アバウト・ア・ボーイ ★★★★


[ 2008/06/24 00:00 ] ラブロマンス | TB(0) | CM(0)

アイズ・ワイド・シャット ★★

アイズ ワイド シャットアイズ ワイド シャット
(2008/07/09)
トム・クルーズ

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 「キューブリックはキャラクターを描かない」という言葉を耳にしたことがあるが、その言葉に最も即した作品が「アイズ・ワイド・シャット」ではないだろうか。トム・クルーズ、ニコール・キッドマンの2大スター夫婦共演(当時)も話題となっていたが、2人の存在がまったく頭にはいらないほど影が薄かった。

 その原因のひとつに完璧主義といわれていた、キューブリック監督の徹底した映像美が挙げられる。どのシーンを切り取っても、幾何学模様を眺めるような規律があり、背景にあるフィラメントの灯りや、夜を表すブルーの光が、その前にいる人物の存在を打ち消しているように観えた。屋外でのシーンも立方体の部屋に居るような感覚に陥り、ステディカムを用いた流動的なカメラワークも、カメラの動きばかりを注視してしまう。また監督作品には珍しく、大スターを起用したことも作品をコントロール出来なかった要因になったのではないだろうか。

 このようなテクニカルな手法は人物像を打ち消してしまうものなのか、それともトム・クルーズ、ニコール・キッドマンがその技法に属さなかったのか、いずれにしてもキューブリックの遺作としては惜しい出来となっている。

 物語自体は謎が多く、その世界に突然放り込まれ、突然突き放されるような展開になる。起承転結の転で終わる印象であり、あまり深く探る気持ちにならない。異形の地ともいえる屋敷での乱交パーティーや、黒装束と仮面の異様さだけが鑑賞後も痛烈に記憶に焼きついたくらいだ。


■関連作品■
コラテラル ★★★★
宇宙戦争 ★★★
Mi : 3 ★★★
ミッション・インポッシブル ★★★★
インベージョン ★


アイズ ワイド シャットアイズ ワイド シャット
(2006/12/08)
トム・クルーズ

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[ 2008/06/17 00:00 ] ラブロマンス | TB(0) | CM(0)

ONCE ダブリンの街角で ★★★

ONCE ダブリンの街角で デラックス版ONCE ダブリンの街角で デラックス版
(2008/05/23)
グレン・ハンサードマルケタ・イルグロヴァ

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 劇中で歌われる素晴らしい楽曲の数々。物語は実にシンプルだが"音楽"を通じての交流は爽やかな感動を運んでくれた。新鮮な語り口の本作は、まさに現代版オペラのようであり、映画と音楽の融合に新たな可能性を感じさせる。

 「ONCE ダブリンの街角で」では主役の2人を中心に、ダブリンに住む人々との出会いと別れを描いている。普段はその心情を相手に伝えられず、過去の出来事を引き摺る2人が"音楽"を前にすると、素直な気持ちを吐露する場面が印象深い。グレン・ハンサードの絞り出すように歌う高音の声や、ヒロインのマルケタ・イルグロヴァの優しく悲しい歌声は、鑑賞後も胸に共鳴するものがあり、今作のサウンドトラックがヒットしたのも納得できるものだ。

 物語と同調する要因に音楽があったが、ハンドカメラで撮影された映像も独特なものである。決して綺麗なものではないが、手振れやざらついた質感はリアティを与え、なんでもない2人を俯瞰視しているような自然な空気を生みだしていた。低予算でも作り手の情熱が伝わってくる革新的な映画だ。

[ 2008/05/28 00:00 ] ラブロマンス | TB(0) | CM(0)
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