ドン・ジョン [DVD]ドン・ジョン [DVD]
(2014/09/05)
ジョセフ・ゴードン・レヴィット、スカーレット・ヨハンソン 他

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何故、いまこの題材を??


 ジョセフ・ゴードン=レヴィットが初監督・脚本・主演とのことで、期待を寄せていた作品ではあったが「何故、いまこの題材を??」という思いが本音である。




*****以下、ネタばれ注意*****




 現実世界のセックスに満足できず、インターネットのポルノ動画に依存しているプレイボーイと、映画のような恋愛に憧れる美女が付き合い、喧嘩して、別れる。それぞれが抱く理想に齟齬があり、そこから関係が悪化するのは至極当然のこと。しかも主人公のドン・ジョンがポルノ依存から脱却する手段が「セックスにおいて相手を思いやることを知る」という、これまた当たり前の結論に辿り着く。

 序盤からテンポのよい編集、ポルノ映像、ベッドシーン等でそこそこ飽きずには鑑賞できたが、物語が普通過ぎて気持ちがのらない。教会のシークエンス他、文化の違いから分かり難い箇所があったものの、これといったメッセージ性も伝わってこなかった。

 見所はゴージャスセクシー美人、スカーレット・ヨハンソンのはまりぶり。全裸まではいかないがベッドシーンをはじめ、ジョセフ・ゴードン=レヴィットと玄関前で疑似立ちバックを見せるシーンは興奮もの。

 「(500日)のサマー」で草食男子を演じたジョセフ・ゴードン=レヴィットが、真反対の肉食男子を演じたのは、役者ならではのチャレンジスピリットからか??個人的には草食男子の方が似合っており、本作よりもよほどセクシーに映っていたのだが。



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(2013/02/08)
シャーリーズ・セロン、パットン・オズワルト 他

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ジェイソン・ライトマンの目線は、冷静で正直で、そして温かい。


 ジェイソン・ライトマン監督、そして脚本のディアブロ・コーディはおたくの味方だ。





*****以下、ネタばれ注意*****




 ヌーブラ姿のシャーリーズ・セロンと下半身が不自由なフィギュアおたくがベッドインとは、なんとも夢のある展開ではなかろうか。冴えない役とはいえ、マットを演じたパットン・オズワルドが羨ましい。

 「ヤング≒アダルト」の主役は大人になり切れない大人。10代の頃の栄光と過去に囚われ、そこから成長できないメイビス役をシャーリーズ・セロンが好演している。アラフォー女性の痛い日常や会話、バツの悪い瞬間の連続を描いているため共感できる人にとっては寒くなるシーンも多いはずだ。メイビスの恋人役がパトリック・ウィルソンだが、大人になれない大人という意味合いで、ケイト・ウィンスレットと激しい情事を行った「リトル・チルドレン」を彷彿させる。キャラクターの立ち位置といい、被る箇所は存分に多い。彼が妻へのサプライズプレゼントとしてドラムセットを叩いて登場するシーンは、”ヌーブラ”・セロンと並んで今作のハイライトだ。

 また、今作で気になったのはパットン・オズワルドの妹役を演じたコレット・ウォルフである。マーキュリーという片田舎の若者女子を軽妙に演じており、ラストでのシャーリーズ・セロンとのやり取りが印象深い。ミネアポリスに連れて行ってと嘆願する彼女に対しメイビスはここに残るよう冷たく諭すのである。私のようになりたければ、田舎の悪口を叩くのではなく自立し、自分の力で都会に来なさいというメッセージに受けとれなくもない。完全な改心ではないが、メイビスがミニクーパーのアクセルを踏み込む力強さに過去との決別が見てとれる。

 「JUNO/ジュノ」「マイレージ・マイライフ」「ヤング≒アダルト」のジェイソン・ライトマン監督は現実を深くえぐる観察眼と、どうしようもない人物を描く能力に長けている。今作でいえばメイビスの行動の痛さが目立っているが、少し角度を変えればスレイド夫妻の素行もそこそこ痛い。つまり、都会に出た高飛車女のメイビスだけではなく、田舎の人も同じように善人ではない、あくまでもフラットに描いているのだ。同情や展開に流されないジェイソン・ライトマンの目線は、冷静で正直で、そして温かい。


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テーマ:映画感想
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(2012/09/05)
ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ズーイー・デシャネル 他

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 草食系男子のエース


 「500日のサマー」をデートムービーと思い、カップルで観に行くと気まずい雰囲気になるだろう。冒頭でも語られるように今作は一般的なラブロマンスではなく、男と女の思考の違いや恋における勘違い、失恋のショックをリアルに描く、一種のハウトゥー作品でもある。誰にでもある恋愛の体験を今回は男性目線で描いているのだが、人を好きになる視点(トム)と人から好かれる視点(サマー)に分けて鑑賞することもでき、自分自身のこれまでの恋愛感は果たしてどちらだったか、内省しながら観るのも面白いだろう。また今作は以下の点が特に優れていた。

1.主役の2人がはまり役
 もはや素で演じているのではないか、と思わせるほどジョセフ・ゴートン=レヴィットの草食系男子ぶりとズーイー・デシャネルの天真爛漫ぶりがはまっていた。特にサマーを演じたズーイーはトムを同情してしまうほど思わせぶりな言動、小悪魔ぶりが際だっており、しかもそれを"許せてしまう女性"を説得力たっぷりに演じている。"こんな女性を相手にしていたらこっちが疲れるから別れよう、と思わせておいてほっておけない存在の女性"はハリウッド広しとはいえ、ズーイー・デシャネル以外は現状居ないだろう。よくよく考えるとサマーは最初から嘘は言わず正直にトムと接していた。この500日はトムの壮大な勘違い録と形容できるが、勘違いも彼女の前なら無理はないな・・・と感じさせるズーイーはやはりすごい。

2.時系列を入れ替えた演出
 今作はトムとサマーが出会った日から500日目までを描いた作品である。シーンの初めには「○日目」と表示され上映中はこの500日の間を行ったり来たりする。巧いのはIKEAで2人の関係が上手くいっていたシーンを見せ、その後の日では同じIKEAでも2人のリアクションが全く違っていたことだ。恋の上昇と終わりの予感を同じ場所で見せ、気持ちの変化を分かりやすく伝えていた。ミュージカル調に恋の高揚感を表現した直後に、どん底に陥ったトムを捉えたエレベーターのシーンもこの演出ならではだ。画面を縦に分割し理想と現実を並べて展開するシーンも新しい見せ方である。

 上記でも述べたミュージカルのシーンのように全てが上手くいく、全てが輝いてみえるほどの幸福状態と、全てが無意味で世界の終わりまで感じてしまう、この2つの感情を体験できるのが恋愛である。ときに素晴らしく、ときに苦しいこの気持ちの往来こそが経験となり、人を成長させる糧でもある。今現在、恋愛で傷ついている人こそ今作の意義を見いだせるのかもしれない。


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