告発のとき ★★★




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 近年、ハリウッド製作の戦争映画はより内省的なものへと向かっており、「告発のとき」はその最たる映画であった。今作でトミー・リー・ジョーンズは、失踪した帰還兵の息子の行方を追うのだが、それはいつしか現在のアメリカが抱える問題、イラク戦争で受けた兵士のストレスを探り出す行動へと繋がっていく。




*****以下、ネタばれ注意*****




 息子の行方不明に、軍や国を巻き込むとてつもない陰謀があるのかと思えば、親しい仲間内での殺人であったという結末。話の起伏の少なさは意外に思えたが、真実を淡々と証言する兵士のラストのくだりは大変怖いものがあった。人間性・感情を戦争により奪われた若者。巨悪を討つのではなく、このような結末こそが逆にリアリティを与え、戦争に対する見方を変えてゆく。

 「7月4日に生まれて」などベトナム戦争を始め、帰還兵の苦悩はよく知られたものだが、何故このような事象をアメリカを含めて繰り返してしまうのか。「大いなる陰謀」でのトム・クルーズの言葉、「9.11のあの朝、誰が冷静な判断を下せただろうか」そのようなニュアンスの台詞を思い出した。止められない報復の連鎖ということになるが、一時的な怒りや感情の乱れは、新たなストレス(PTSD)を生み出してしまうのだ。

 印象的だったのはトミー・リー・ジョーンズの首の傷が塞がらず、そこから再び血がでてきたシーンだ。息子の死亡を暗示させる効果。そして「ノーカントリー」でも同じような演出があったが、傷口を抑え完全に止血をしなければ、血は止まらない、報復は終わらないということだ。

 このことを踏まえ、アメリカはいよいよ止血をする時が近付いているのだろうか。灰色の空と萎びた逆さまの国旗が、疲弊した人々の行き場のない苦しみを代弁していた。


■関連作品■
ノーカントリー ★★★★
スパイダーマン3 ★★★
ホリデイ ★★★
プラネット・テラー in グラインドハウス ★★★

[ 2008/07/01 00:00 ] 戦争・歴史 | TB(0) | CM(2)

ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記 ★★

ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記 2-Disc・コレクターズ・エディションナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記 2-Disc・コレクターズ・エディション
(2008/06/04)
ニコラス・ケイジ、ヘレン・ミレン 他

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 ジェリー・ブラッカイマーが製作した作品で、一番好きな映画は「ザ・ロック」だ。アクション映画ながら、キャラクター像・音楽・演出、全てにおいて質が高く初見のときなど、かなり興奮しながら鑑賞したのを覚えている。なかでもエド・ハリスが演じたハメル准将の言動に惚れ込み「アクション映画の良し悪しは悪役で決まる」という自論を決定付けるかのような素晴らしい映画だった。

 あれから約10年経ち、ジェリー・ブラッカイマー×ニコラス・ケイジ×エド・ハリスが再び今作で集結したのである。中盤にあった英国でのカーチェイスシーンは、ベン・ゲイツとジェブ・ウィルキンソンの物語ではなく、スタンリー・グッドスピードとハメル准将のチェイスだと、心のなかで変換しながら楽しんだものだ。ハメル准将の良さは悪役ながら紳士的だったこと、今回のウィルキンソンも黄金都市を探すために手段を選ばない悪役なのだが根は悪くない。梯子から落ちそうになったダイアン・クルーガーを助けたり、後半の展開であったり所々でそれらしい行動はあった。扱う題材からか、それほど脅威には思えなかったが、ニコラス・ケイジと同じ画面に映るたび、あの青く鋭い瞳が映るたびに嬉しくなったのは自分だけではないはずだ。


ナショナル・トレジャー&ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記 アルティメット・5-Disc・セットナショナル・トレジャー&ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記 アルティメット・5-Disc・セット
(2008/06/04)
ニコラス・ケイジ、ダイアン・クルーガー 他

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*****以下、ネタばれ注意*****




 本編のほうは前作と変わらず、謎解き→場所→次の謎→次の場所の繰り返しである。続編なのに主要キャラクターに魅力が感じられなかったのは、それぞれが抱える危機的状況が安易過ぎることだろう。ベン・ゲイツとアビゲイルは別居、ライリーは本が売れず且つ脱税で追徴金を払う羽目に、ベン・ゲイツの父親ヘンリー・ゲイツと母親の確執、どれを取り上げても想定内の出来事であり、意外性もなくラストを迎えてしまう。なんともディズニーらしい安定した味付けなのだが、平坦すぎるという印象は否めない。

 また前作であった独立宣言書強奪に対するものが、今作では大統領のみが知る本の存在だ。ここが最大の見せ場になるはずなのだが、大統領を誘拐して直接、本の在り処を聞きだすとはなんとも芸がない。本人からではなく、何らかの方法で華麗に場所を導いた方が、よほど盛り上がったのではないだろうか。

 ニコラス・ケイジは続編映画に出演しない俳優ということを聞いたことがあるが、本作を観てその意味がなんとなく分かった気がした。


■関連作品■
ナショナル・トレジャー ★★★
トロイ ★★★★
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド ★★★


[ 2008/06/01 00:57 ] 戦争・歴史 | TB(2) | CM(0)

ホテル・ルワンダ ★★★

ホテル・ルワンダ プレミアム・エディションホテル・ルワンダ プレミアム・エディション
(2006/08/25)
ドン・チードル、ソフィー・オコネドー 他

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 普段、何気なく眺めるニュース映像で外国の内戦や紛争の場面になると、チャンネルを変える習慣があった。砂埃にまみれた悲惨な光景はできるだけ見たくない、自分には関係のないものとして考えていたからだ。

 そのような現状から「虐殺のもようがテレビで放送されても「怖いわね」と言うだけ...そしてディナーを続ける」という、フォアキン・フェニックスの台詞を聞くと胸に刺さるものを感じた。恥ずかしながら、今作を観るまでルワンダで起きた出来事を知らず、100日間で80万人近い人が惨殺されたという事実に驚かされる。「ホテル・ルワンダ」を観て、ニュースや民族紛争に対し、認識を改めたのは自分を含め大勢いるのではないだろうか。

 物語は自分の家族を救うことだけを考えていたドン・チードルが、結果として多くの人を救うという内容。ナタで人を惨殺するシーン、道路に横たわる多くの死体など凄惨な場面もあるが、主人公のとる言動に無理がなく人間らしい決断に爽やかな感動と、少しの希望を伺わせる。敬遠しがちなテーマだが根底にあるのは、1人の人間の行動だ。ルワンダの事実を知る意味でも多くの人に観てもらいたい作品である。


■関連作品■
オーシャンズ13 ★★★
ブギーナイツ ★★★★
ヴィレッジ ★★

[ 2008/05/01 09:59 ] 戦争・歴史 | TB(0) | CM(4)
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