題名のない子守唄 ★★

LA SCONOSCIUTALA SCONOSCIUTA
(2008/05/30)
ピエラ・デッリ・エスポスティ、クラウディア・ジュリーニ 他

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 『「ニュー・シネマ・パラダイス」の監督が送る』という作品の謳い文句、ジュゼッペ・トルナトーレは生涯その呪縛から解放されることはないだろう。

 多くの人が「ニュー・シネマ・パラダイス」の監督の完全新作という美辞麗句にのせられて鑑賞を決めたのではないだろうか、自分自身もそうだった。しかしあのような、ノスタルジーや人の温かさ良さを感じるドラマを今作に求めてしまうと、その違いに愕然とするだろう。上映開始5秒くらいでそのような兆候が観てとれる。

 セックス、SMプレイや暴力などR-15という制限を全うに感じるほど、激しい描写の数々に一旦ショックをうけてしまった。しかし冷静に考えると、このような直接的な表現こそ、ジュゼッペ・トルナトーレの本来のスタイルなのではと思えてきたのだ。「ニュー・シネマ・パラダイス」で映画館内での自慰行為やトトの性への芽生えを描いたように、「マレーナ」では、少年が美しい大人の女性に虜になる様子やモニカ・ベルッチへの強烈な報復のシーンを描いたように、性描写や女性の描き方に彼自身の哲学・こだわりがあるように思える。「ニュー・シネマ・パラダイス」のバランス感覚が監督の本当の姿勢ではないのだろうか、あえて傾いたイメージを翻そうとしているのか、今作に限っての画やリズムはブライアン・デ・パルマを思わせるようなものだ。

 「題名のない子守唄」はサスペンス・ミステリー映画であり、古典的なスリラーの仕掛けが随所に用意されている。過激な過去の挿入シーンが多く、「黒カビ」ムッファなど人物の言動も無意味・滑稽であり気持ちがはいらなかったが、エンニオ・モリコーネの音楽は相変わらず素晴らしい。各シーンに合った感情を上手に旋律で表現しているのだが、その音楽に依存している、多用しすぎている、という印象もうけた。


[ 2008/05/27 00:01 ] サスペンス | TB(0) | CM(6)

ヴィレッジ ★★

ヴィレッジヴィレッジ
(2005/04/22)
ホアキン・フェニックス、エイドリアン・ブロディ 他

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 前作「サイン」のときにM・ナイト・シャマラン監督の思いきりの良さに感激したが、今作もあの展開には勇気があるなぁ、大どんでん返しのエンターテイナーだなと感心してしまった。

 ただ今回のオチは読めたし、以前どこかであったような話し(盗作疑惑もあったが)をうまくアレンジしたような印象をうけた(アウターリミッツやX-FILESにも似たようなエピソードがあったような)

 メインはヒューマンドラマだけどミステリーが好きな僕はもはやオチ以外に楽しみはなく、エンドロールの後にはあの村の存在意義など様々なことを考えさせられた。

 閉鎖的な村の映像美、また「森の住人」の突然の登場など見所は多いが、一番良かったのはアイヴィー・ウォーカーの姉キティ・ウォーカーがルシアス・ハントにプロポーズをするシーン。何故かハイテンションでその前後の空気・流れを壊しかねないもの。「あなたのおかげで世界がどうのこうの…センキュー、センキュー、センキュー」とか何とか言って次のカットでふられて号泣。この落差に笑ってしまった、この演出はなんだったのか未だに謎である。


■関連作品■
レディ・イン・ザ・ウォーター ★
8mm ★★★


[ 2008/05/22 00:07 ] サスペンス | TB(0) | CM(0)

パニック・ルーム ★★

パニック・ルームパニック・ルーム
(2005/09/28)
ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー 他

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 前回作品「ファイト・クラブ」ではロケのために、様々な場所への移動を嘆いていたデビッド・フィンチャー監督。そんな彼が普通の一軒家で、母子家庭と泥棒との密室劇を描くというのは、その経験のせいだったのだろうか、意外である。序盤から目新しい視覚効果が観る者を刺激していたが、「パニック・ルーム」は監督のそれまでの作品に比べパンチに欠ける凡作のように思えた。以下、その理由を探ってみると…

・構成の平凡化…今作では緊急避難部屋に逃げ込んだ親子と、壁を隔てての泥棒とのやりとりが物語の中心となる。「ガスを使用しての誘き出し」「携帯電話の入手」「懐中電灯を使用しての信号」など見所は多いように思えるが、それぞれが独立してイベント化してしまっているため作品としての一体感がない。初見ではそれなりに緊張感があるが、ひとつのイベントが終わるたびに気持ちが落ち着いてしまう。

・キャラクターと展開の魅力の無さ…主人公のジョディ・フォスターに閉所恐怖症という味付けをしたものの、それがほとんど反映されなかったのは疑問。また、娘のインスリン注射というのも映画ではよくある制約だった。泥棒サイドも覆面までして素性を隠したラウールに魅力が無く、唯一フォレスト・ウィッテカーが奮闘していたように思える。「パニック・ルーム」という題名からか、この家かその部屋にとんでもない秘密があるのかと過剰に期待していたら何も無くて逆に驚く。

 普段は見えない鍵穴の中や、家の構図を紹介する長回しのショットといった、映像表現は相変わらず面白かった。「ファイト・クラブ」の興行収入がそれほど伸びなかったせいか、妥当すぎる映画の仕上がりに、デビッド・フィンチャー監督の迷いが感じられてしょうがない。


■関連作品■
ゾディアック ★★
ブレイブ ワン ★★★
コラテラル ★★★★


パニック・ルーム トリプル・デラックス・エディション (3枚組)パニック・ルーム トリプル・デラックス・エディション (3枚組)
(2004/04/28)
ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー 他

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[ 2008/05/13 00:00 ] サスペンス | TB(0) | CM(0)
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