ミスト ★★★

スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)
(1988/05)
スティーヴン キング

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 「ショーシャンクの空に」を観た後に「ドリームキャッチャー」を観ると、原作者が同じ人だということが信じ難くなる。スティーブン・キングが描く世界は、時に多くの人の涙腺を刺激し、またその一方でホラー要素をふんだんに盛り込み、鑑賞者を恐怖に陥れるカルト作品も執筆し続けている。

 両極端のベクトルを走る彼の新作映画「ミスト」は、雑誌広告や予告を見ると感動系というイメージがした。ただ、映画秘宝で紹介されていたことやR-15指定からホラー系とも想像できた。よく分からないまま、警戒しながらの鑑賞.....結論をいえばカルト作品だが、最後で想像を超える虚無感に襲われる驚くべき怪作なのである。

 極限状態での人間模様や異常な精神が交じり合う緊張感、様々なクリーチャーとの闘いなど、まさしくカルト映画の集大成であり、豪華な祭りのようでこの上ない高揚感を味わった(途中までは)。反面、フランク・ダラボンとスティーブン・キングのコンビということから「グリーンマイル」のような感動を求め劇場に足を運ぶと、肩透かしを喰らう結果になるだろう。


ショーシャンクの空にショーシャンクの空に
(2008/04/11)
ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン 他

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*****以下、ネタばれ注意*****




 「ミスト」には映画シナリオ上でのタブーを破る展開が2つあった。ひとつは主人公が最後まで信仰心を受け入れず、そのシンボル的な存在の人物が抹消されたこと。もうひとつは自分の手で我が子を銃殺したことだ。勿論、その行動には納得しうる理由があったのだが、その意外な捻りがラストの"霧が晴れてしまう"という悲劇を際立たせた。主人公は最終的に4人の人間の命を奪い、"罪"を犯してしまう。その結果として「死」以上の"罰"をうける展開がなんとも皮肉である。神や信仰は尊いもの、とまでにはいかないが、罪や煩悩には必ず災いが起こるというメッセージなのだろう。

 それにしても主人公トーマス・ジェーンの行動・選択はほとんど裏目にでている。絵を片付けなかったこと、序盤で母親を助けなかったこと、発電機から物音がするとのことで倉庫に皆を集めてしまったこと、薬局に行ったこと、ボンネットにある拳銃を拾ったこと。子供に優しく強い父親として当然主人公に感情移入し、その選択を信じるが、鑑賞者共にすかさせる結果には脱力感を覚えた。後味の悪い映画として、また運のない主人公、救いのない映画として「ミスト」は今後も長く語り継がれそうだ。


■関連作品■
シークレット・ウインドウ ★
ブギーナイツ ★★★★
ファンタスティック・フォー/超能力ユニット ★★

[ 2008/05/11 00:00 ] ホラー・パニック | TB(0) | CM(6)
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