蒼い瞳をしたリバー・フェニックスの頭におなじみの帽子がかけられ、次の瞬間、ハリソン・フォードの顔に移行する。インディファンならずとも叫びたくなる演出だ。今作は「THE LAST CRUSADE(最後の聖戦)」と副題にあるように、インディ・ジョーンズ3部作の完結編と位置付けられ、これまでの様々な過去・秘密も明らかになった。
アクションシーンはシリーズ屈指の激しさで、スティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカス、フランク・マーシャルが、アイディアを絞り出した賜物なのであろう。ほとんどがチェイスシーンとなるが、陸・海・空すべてを制覇するダイナミックなシークエンスばかりだ。船のスクリューの後ろで殴り合い、飛行機はトンネルに主翼を折りながら突っ込み、戦車のキャタピラ上での死闘を繰り広げる、これらのスリルの創造や見せ方には感服してしまう。アクションが少ないと感じバイクシーンを追加したことは、サービス精神旺盛なスピルバーグ監督らしいエピソードだ。
また初めて父親を登場させたことにより親子関係を示し、物語に厚みと笑いを加える結果となった。ナチス・ドイツとの緊迫した展開のなかで、ひとつ抜けていた父親だが聖杯や息子に対する愛に満ちた人物である。勿論、名優ショーン・コネリーの存在がそれらを構築できた要因であり、「ジェームズ・ボンドがインディ・ジョーンズに」との不安もあったが、見事に作品に溶け込んでいたのが嬉しい誤算だった。ジュニアと息子のことを呼んでいた父親が、ラストで初めて「インディアナ」と語るシーンは冒険活劇を超えた感動を呼び起こした。
過去の回想シーン、親子関係を見せることで、インディ・ジョーンズというヒーローにさらなる魅力を付加し、荒野の夕日をバックにシリーズは完結を迎えた。「スターウォーズ」や「ゴッドファーザー」など1作におさまらずシリーズ化された例は沢山あるものの、物語をそれぞれに完結させ、これほどバランスのとれた映画は「インディ・ジョーンズ」より他にない。
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