アフタースクール ★★★

アフタースクールへようこそ!―映画『アフタースクール』OFFICIAL BOOK (Gakken Mook)アフタースクールへようこそ!―映画『アフタースクール』OFFICIAL BOOK (Gakken Mook)
(2008/05)


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 派手な見せ場もないなか、最後までほどよいテンションで鑑賞できたのは、物語の細やかさと魅力的な俳優陣のお陰だろう。

 主役を務めた大泉洋は、大声をはるでも、大袈裟な動きでもない、その自然な存在感が良い。少し間をおいてボソボソと喋りかけるしぐさ「コーヒー牛乳を…」「もじゃもじゃって言うな!!」などちょっとした言い方が面白かった。堺雅人は良い性格過ぎて損をする人、佐々木蔵之介はひねくれた性格で裏世界に生きる人をそれぞれ好演している。本来役者がもっている雰囲気そのままの特徴をスクリーンに投影しているため、物語に馴染み易く、その先入観が様々なミスリードを誘う要因にもなっていた。




*****以下、ネタばれ注意*****




 「アフタースクール」という題名を聞いたときに、イントネーションからベタベタの感動物語だと想像していた。たしかに感動する箇所はあるが、今作はどんでん返しを楽しむことに重きを置いている。その「どんでん返し」という情報を鑑賞前に得ていたかどうかで印象は大きく変わる。

 逆転劇という情報をインプットした状態で観ると序盤の、大泉洋が簡単に佐々木蔵之介の言いなりになっている、その時点で怪しいと思ってしまうからだ。逆転劇があることを知ると、構えて鑑賞するためサプライズが響かない。逆に逆転劇があるから、それで興味をもって劇場に足を運ぶ人もいる。予告や宣伝のバランス加減の難しいところだ。

 ドタバタのコメディにもできそうだがそこを抑え、ほのかな愛情と悲しさを含んだのが「アフタースクール」特有の味付けだろう。特にネタばらしをした後の、大泉洋と佐々木蔵之介の会話、そして大泉洋と常盤貴子との会話で一気に人間ドラマが濃くなる。校庭を眺めながら、2人の背中越し画と併せてラストの見せ方は非常に巧い。人物の相関関係を理解した上で、2回目を鑑賞するとまた別の角度から作品を楽しめ、新たな発見があるのも嬉しいことだ。


■関連作品■
愛の流刑地 ★★
サマータイムマシン・ブルース ★★★★

[ 2008/06/13 00:00 ] ヒューマンドラマ | TB(1) | CM(6)
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