「ファウンテン」は当初、ブラッド・ピットが出演する予定だったがダーレン・アロノフスキー監督との方向性の不一致から、出演を断念したという経緯がある。その後、代わりにヒュー・ジャックマンが主演となったが、内容を見渡す限り彼が辞退した理由がよく分かった。
ブラッド・ピットが降板した後、ケイト・ブランシェットも降板することになったのだが、いっそのことその豪華コンビでの「ファウンテン」観てみたかった気もする。頭を丸坊主にして、宇宙空間を背景に座禅をして瞑想をする姿はかなりのインパクトがあり、演じる側も相当な覚悟が必要だ。
「π」「レクイエム・フォー・ドリーム」とスタイリッシュな作品を描いてきた監督が、ここに来て失速した原因はどこにあるのだろうか??前2作に比べ作品の出来が落ちた監督として、「CUBE」「カンパニー・マン」「ナッシング」の順番で製作したヴィンチェンゾ・ナタリ監督を思い出した。
両者共にサスペンスやスリラーで斬新な物語を構築してきたが、コメディや恋愛など少しジャンルを変えただけで、表現方法が幼稚化してしまうのではないだろうか。ある感覚が秀でていて、得意とするジャンルはあるものの、その領域から外すと恐ろしく滑稽になるのだ。「レクイエム・フォー・ドリーム」で細かいカット割を駆使し、この上ない絶望感を表現した監督の力強さが、今回は見えず演出が散漫になっている印象をうけた。
「ファウンテン」は主題としては大変面白そうなものだが、それを複雑に捉えすぎているように思う。期待の監督としてあえて難しい方にチャレンジしたのか、今作では個人的にはそのアプローチ方法に賛同しかねる。奇抜な画、丸坊主のヒュー・ジャックマン、興行的にも失敗しており珍作として語り継がれることになりそうである。
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