ダークナイトに続編があるとしたら…??





 パソコンのデスクトップ背景がジョーカー、劇場で購入したパンフレットを読み、サントラを延々と聴き続けるなど、ここ最近すっかり「ダークナイト」の世界にはまっている。全米でも4億ドルの興行収入を突破し(2008年8月上旬現在)ネット等での評価もおおよそ好評だ。

 鑑賞してしばらく経つ今も尚、興奮が冷めないのは作品のテーマが奥深く、キャラクターに魅力があったことが主な要因だろう。興行収入の異常な推移はリピーターの多さを示すものでもあり1度観てもまだ、ジョーカーの演技が観たい、あの場面の台詞をもう1回確認したい、アクションシーンを楽しみたい、という欲求に駆られるのだ。

 そんな10年に1本のアクション映画とも思える傑作「ダークナイト」だが、映画サイトのニュースでは、まことしやかに続編の噂も飛び交っている。勿論、このような素晴らしい世界観を構築したのならば続編が観たいものだが、「ダークナイト」の質を保てないものであれば製作してほしくないという気持ちもある。







 「ダイ・ハード」「ランボー」「ターミネーター」「エイリアン」「バイオハザード」「スパイダーマン」「ゴッドファーザー」「旧バットマン」のようにシリーズものとなり、パート2からパート3に行く時にパワーダウンしてしまう映画は多い。その逆で「インディージョーンズ」や「ボーン・アルティメイタム」など2→3でパワーアップする成功例もあるが、全体を見渡したときには失敗例のほうが上回っているように思える。




*****以下、ダークナイトに関するネタばれ注意*****




 最初から3部作構成等を想定していた場合を除き、続編が製作されるということは前作が面白かったからであり、それを超えるということは当然難しくなっていく。では「ダークナイト」はどうだろうか。バットマンの新シリーズとして「ビギンズ」「ダークナイト」と2作品製作され、仮に次回作があるならばパート3の位置付けとなる。スタッフ・俳優陣の続投等クリアしなければならない材料は多いが、最も難しいのはストーリーだろう。

 アクション映画におけるストーリー展開のベースで大切なのものは、主人公に降りかかるストレスの負荷や脅威の対象にある。

 ストレス・負荷は主人公から見て内的な要因であり、例えば妻や子供が人質になり救出するものであったり、主人公自身が病気や怪我を負うというもの。そして脅威の対象は外的な要因であり、主人公と敵対する人物・組織の大きさ、強力な武器の存在、または自然災害などの主人公とは距離を開けた不可抗力が挙げられる。この2つの視点から「ダークナイト」の続編について考え、予想してみた。







■敵役は誰が良いのか??(外的要因)

 バットマンシリーズの魅力は敵役にあるといっても過言ではない。「ビギンズ」ではラーズ・アル・グール(ヘンリー・デュガード)とスケアクロウ、「ダークナイト」ではジョーカーとトゥー・フェイスの手強い相手がそれぞれ登場した。旧バットマンシリーズの劇中で登場した残りの敵を挙げると、ペンギン、キャット・ウーマン、リドラー、Mr.フリーズ、ポイズン・アイビーの5人となる。

 現在、噂になっているのがリドラーをジョニー・デップ、ペンギンをフィリップ・シーモア・ホフマン、キャット・ウーマンをアンジェリーナ・ジョリーが演じるというものだ。クリストファー・ノーラン監督になってからの新バットマンシリーズの良さは、物語のトーンが抑え気味であり、その作風に合うように俳優陣もどこか渋めのキャスティングをしている点である。そこから考えるとジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーの2人はスター性があり、華があり過ぎる。







 それならばノーラン監督の過去の作品に出演した役者を活かすと、作品とマッチするのではないだろうか。例えばリドラーをガイ・ピアース、キャット・ウーマンをキャリー=アン・モスという具合だ。また「インソムニア」に出演した、アル・パチーノを汚職まみれのゴッサムシティの市長にしたり、マイケル・コルレオーネのように冷酷なマフィアのドンを演じさせるのも面白そうである。

 どれも想像の粋に過ぎないが「ダークナイト」のジョーカーが完璧すぎて、これ以上の難敵が思い浮かばないのが正直なところだ。幸いなのか、ジョーカーはまだ死んでいないため続編に絡めることも可能だが、そうするとヒース・レジャーの不在が痛い。

予想…リドラー、キャット・ウーマン、ジョーカー(少しだけ出演)、マフィア関係の巨悪。この辺りが続編に絡むのかなと思う。(コミックに登場した敵や映画オリジナルの敵が暴れても面白そうである。)







■バットマンに掛かる負荷とは??(内的要因)

 「ダークナイト」で衝撃だったのは幼なじみのレイチェルが、あっさりと爆死したことである。バットマンのマスクを被ったブルース・ウェインの、唯一の弱点であり心の隙はレイチェルを愛していたことにあった。そのため彼女には正体を明かし、バットマンという自警活動を限定的なものと考え、いつかはレイチェルと結ばれたいとブルース・ウェインは思っていたはずだ。その心の在り処をジョーカーに奪われたことによって、迷いが無くなり精神面から暗黒の騎士となったのが「ダークナイト」のラストであった。

 大きな喪失からの復帰は物語性を強め、この上ないエモーションを運ぶことになる。パート2で愛する恋人を喪失した主人公に、続編ではそれ以上の負荷を掛けなければならないのだが、可能性として考えられるのはアルフレッドに掛かる負荷であろう。







 ゴードンやルーシャス・フォックスの善玉も存在するが、過去2作品での関係を鑑みてもレイチェルの喪失を上回らない。バットマン自身に脅威が迫っても物語が高まらない。例えばゴードンの息子をロビンにしてロビンがピンチになるという展開になっても、気持ちが入る時間が足りないだろう。

 マイケル・ケインが演じたアルフレッドに手をつけることは、正に禁じ手となるが「ダークナイト」の出来を考えるとそう成らざるを得ないのではないだろうか。

予想…アルフレッドに何らかの脅威・変化が訪れる。それによりバットマン自身にも肉体・精神的な負荷が掛かる。


 以上のようにストーリーの面から続編を考えてみたが、素人が想像したものでは到底、面白くなさそうである(笑)「ダークナイト」という傑作が完成した段階でシリーズを止めることが英断なのか、「ダークナイト」が築いた大きな壁を破るのはやはりバットマンなのだ、と捉え続編を製作するのか、全てはクリストファー・ノーラン監督の動き次第だろう。「メメント」のように時間軸を操ることや、精神世界を描くなど斬新なアイディアがあるかもしれない。現段階での監督の頭のなかを覗いてみたいものだ。


■関連作品■
ダークナイト ★★★★★
バットマン ★★★★
バットマン リターンズ ★★★
バットマン フォーエヴァー ★★
バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲 ★
バットマン ビギンズ ★★★★
メメント ★★★★★
プレステージ ★★★★

[ 2008/08/26 00:00 ] 日記 | TB(0) | CM(12)
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