インセプション Blu-ray & DVDセット (初回限定生産)インセプション Blu-ray & DVDセット (初回限定生産)
(2010/12/07)
レオナルド・ディカプリオ渡辺謙

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 「ジェームズ・ボンド ミーツ マトリックス」ある映画評論家が謳ったインセプションを形容した言葉である。自分なら「ジェームズボンドがMI6に加入し、マトリックスの世界に飛び込んだ!」と形容するだろう。

 「インセプション」はそれまでのハリウッド商業映画とは一線を画した、知的好奇心を刺激する野心に溢れた作品だ。なにより今作がパート3に思えるほど、その世界観や設定は複雑極まりない。物語のアウトラインは理解できるが、作品に設けられたルールやシークエンスを全て飲み込むためには、最低2回は鑑賞する必要があるだろう。




*****以下、ネタばれ注意*****




 予告編や数少ない事前情報から想像していたのは、他人の夢に侵入し、アイディアを盗む映画だと思っていた。実際にアイディアを盗む(エクストラクション)シーンはあるが、それは序盤のみ。メインは夢を設計し、そこにターゲットを招き入れ潜在意識の一番深い場所で、アイディアを植え付ける(インセプション)という、聞いただけでも映像化が不可能に思える内容であった。

 夢の中の夢の中の夢の中の夢 4階層下まで潜り込み、外部から衝撃を与える(キック)ことで下の階層から順番に目覚めること、また、夢は設計するとこができ、下の階層ほど時間の進行が遅くなるなど、巧妙に定められたルールが緊張感を誘う。難解に感じるテーマをエンターテイメントとしてきちんと成立させてしまうのが、ノーラン監督の凄みではないだろうか。

 「バットマン ビギンズ」で5分程しか出番がなかった渡辺謙が名誉挽回のフル登場。大物実業家として善とも悪ともとれない存在だが、ラストではディカプリオへの約束を果たすなど、最後まで己を貫いたサイトーは美味しい役回りだ。「500日のサマー」で注目を浴びたジョゼフ・ゴードン=レヴィットは草食系男子から一転してのオールバック姿。インセプション最大の見せ場、無重力の格闘シーンのためのオールバックか??と疑いつつ、その顔立ちはやはりヒース・レジャーを思い出さる。「レボリューショナリーロード」「シャッター・アイランド」に続いて妻に悩まされるのがレオナルド・ディカプリオ。奥さん絡みの受難、何度目だよ(笑)と突っ込まずにはいれない。マリオン・コティヤールとの場面は感動を誘う流れだが、いかんせん前2作とイメージが重なってしまうのが勿体なかった。

 「制限のない脳の世界を探究するのは、最大規模のエンターテイメント」と語るクリストファー・ノーラン監督。強盗映画でありながら盗む(物理的な)物がない、そして絶対悪が存在しない物語。最大の敵は自身の意識下のトラウマということか。大規模なロケーションを組みながら、物語の進行とともに内側へと近付く構成。マクロからミクロへ。逆スパイラルへ進む道筋は、それまでのどの映像体験よりも洗練されたものだ。


■関連作品■
バットマン ビギンズ ★★★★
ダークナイト ★★★★★
シャッター アイランド ★★★
JUNO/ジュノ ★★★
(500)日のサマー ★★★
メメント ★★★★★
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織田裕二、深津絵里 他

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 踊る大捜査線の映画版は、さながら幕の内弁当のようである。豪華な俳優陣の共演、エキストラ・小道具・小ネタに至るまで、とにかく1画面あたりの情報量は多く、それが色彩豊かな、幕の内弁当のおかずに見えてしまうのだ。前2作の「THE MOVIE」「THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」はその配膳加減が絶妙で、爆発的なヒットを記録したのだと思う。では第3作である「奴らを解放せよ!」はどうだろうか??





*****以下、ネタばれ注意*****




 率直な想いを言えば、おかずの詰め込み過ぎに思えた。ほぼ全てのレギュラー陣が出演し、且つ、新キャラクターも描く。ひとりひとりの存在が消えないように、ある程度の見せ場を設けるため必然的に青島刑事の活躍シーンは減ってしまう。鑑賞後、織田裕二はなにをしたのか冷静に思い返してしまったものだ。

 もうひとつ致命的だったのは、胸が熱くなるような展開がなかったことである。踊る大捜査線の魅力は派手なアクションでも犯人を捕まえる瞬間でもなく、捜査の過程で起こる内輪モメにある。もっと言えば内輪モメに屈することなく、自分の信念に従って行動する青島刑事の姿にあった。今作では小栗旬が演じた鳥飼誠一なる新キャラクターが登場したが、本庁と所轄のサーバントリーダー(調整役)であるせいかそこまで確執が生まれない。

 またパート1で警視庁副総監の誘拐(和久さんも捕まる)青島刑事の刺殺、パート2で雪乃さんの拉致・すみれさん被弾、と前2作で結構なストレスを負ったせいか、主人公グループにこれ以上の負荷が考えられないのである。青島刑事に実は腫瘍が・・・と病気の臭いを振りまいたが、すぐに撤回。シリーズを重ねるごとに事件の規模も縮小している印象をうける。湾岸署の引っ越しに絡め、物理的な大きな移動はあったものの、内面の心が揺さぶられることはなかった。どのような制約があるのかは分からないが、オープニングでリズム・アンド・ポリスが流れなかったのも残念である。

 日向真奈美(小泉今日子)を中心として歴代の犯人が出演した今作は、正に集大成といえる位置づけか。それなら次回は原点回帰、"脱"幕の内弁当を目指し、青島刑事の活躍を熱く描いてほしいものだ。


■関連作品■
踊る大捜査線 THE MOVIE  ★★★
踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! ★★★
キサラギ ★★★
サマータイムマシン・ブルース ★★★★


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