容疑者、ホアキン・フェニックス [DVD]容疑者、ホアキン・フェニックス [DVD]
(2012/10/05)
ホアキン・フェニックス、アントニー・ラングドン 他

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お金をかけた、壮大な嘘。


 それは突然の発表だった。ホアキン・フェニックスの俳優引退宣言、そしてラッパーへの転身は、当時ニュースとして日本でも騒がれたこと。…という一連の出来事は全て嘘だった。

 ホアキン・フェニックスといえば「グラディエーター」の憎き皇帝役、「サイン」の引退した野球選手の役などが真っ先に思い出される。また、兄がリバー・フェニックスということでも有名、その家系と風貌でどこか良家のお坊ちゃまイメージがあった。




*****以下、ネタばれ注意*****




 そんな彼が俳優引退表明、そしてラッパーへ。その2年間に渡る壮大な嘘・モキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)こそが「容疑者、ホアキン・フェニックス」である。私財を投げ打って奇行に走り、嘘を貫き通す。テレビのリアリティ番組を真に受けている、視聴者の存在に興味を持ったことが製作のきっかけとなったらしいが、嘘をついてまで何を主張したかったがはっきりとしない。ハリウッドセレブの虚無感を訴えたいのか、自分自身のイメージを払拭したいのか、その辺りのメッセージが届き難く、youtubeに投稿した悪ふざけ動画を鑑賞しているようだった。

 衝撃なのは娼婦を呼びつけ巨乳に顔を埋める姿や口淫を受ける様子、仲間にブチ切れられ糞便を喰らうシーンだが、これらも嘘や演出と思えば興醒めである。長時間に渡り情緒不安定な様を見せられるのは苦痛でしかない。

 これら一連の嘘で大バッシングを受けたホアキン・フェニックス。業界から総スカンを受けると思われたのだが、復帰作??の「ザ・マスター」でいきなりの高評価。「容疑者、ホアキン・フェニックス」の2年間の奇行が皮肉にも役者の幅を広げたのか??どちらにせよ、今後も彼の動向には注目していきたい。


■関連作品■
グラディ・エーター ★★★
サイン ★★★
ヴィレッジ ★★
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テーマ:映画感想
ジャンル:映画
 6月、7月、8月のアメコミアクション大祭りの印象が強かった2012年。今年は41本の映画を鑑賞することができました。そのような1年を振り返って、2012年中に初めて観た作品のなかから、特に気に入ったベスト3を紹介します。


☆2012年初めて観た映画でのベスト3


1. 灼熱の魂 ★★★★
2. ファミリー・ツリー ★★★★
3. ゴーストライター ★★★


灼熱の魂 [DVD]灼熱の魂 [DVD]
(2012/05/02)
ルブナ・アザバル、メリッサ・デゾルモー=プーラン 他

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 1位の「灼熱の魂」は粘着力の強いと評したらよいのか、まどろっこしさ、胸のざわめきが鑑賞後、ずっと途絶えなかった作品だ。悲劇といえば悲劇だが、僅かな希望も窺える物語。全く交わることのない平行線が数奇な運命によって交差する極上の旅路である。チャプター毎に表示される赤い文字、レディオヘッドの「You and whose army」が印象的だ。


ファミリー・ツリー [Blu-ray]ファミリー・ツリー [Blu-ray]
(2013/06/05)
ジョージ・クルーニー、シャイリーン・ウッドリー 他

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 2位の「ファミリー・ツリー」は「モヤモヤさまーず2」を見ているかのよう、観光地のハワイではなく日常感のある、言わば裏ハワイを舞台としている。燦々と照りつける太陽のもとワイキキビーチで…ではなく曇りの日も民家も登場する見たことのないハワイがジョージ・クルーニーの心象風景と合致するのだ。「フィクサー」「マイレージ マイライフ」等、ジョージ・クルーニーは相変わらず作品選びが上手だなと唸ってしまった。アレクサンダー・ペイン監督との相性も良さそうである。


ゴーストライター [Blu-ray]ゴーストライター [Blu-ray]
(2012/02/02)
ユアン・マクレガー、ピアース・ブロスナン 他

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 3位の「ゴーストライター」もロケーションが素晴らしい。執筆活動を行うアメリカ東海岸にある孤島の寒々しさ、モーテル等、ミステリーでありながらどこかロードムービーのような楽しさもある。ユアン・マクレガーを始めとした豪華キャストの中でもオリビア・ウィリアムズの怪しさは際立っていた。今年公開された「おとなのけんか」と併せ、ロマン・ポランスキー監督が妙に好きになる。改めて「チャイナ・タウン」を再鑑賞したくらいだ。


ザ・マスター [Blu-ray]ザ・マスター [Blu-ray]
(2013/09/20)
ホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン 他

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☆2013年期待の映画☆
ザ・マスター / THE MASTER(原題)

 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」から5年。ポール・トーマス・アンダーソン監督のの新作「ザ・マスター」。カルト的な宗教団体の姿を描くという、ある種リスキーなテーマ選定。そして「容疑者、ホアキン・フェニックス」でハリウッド全体を敵にしたホアキン・フェニックスの復帰、フィリップ・シーモア・ホフマンとの演技合戦等、見所は多い。既にヴェネチア国際映画祭三冠受賞を制覇するなど話題も十分である。予告編から上質な香り、傑作臭がする本作、公開予定の3月22日が今から待ち遠しい。
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