ワールド・ウォーZ エクステンデッド・エディション2Dブルーレイ [Blu-ray]ワールド・ウォーZ エクステンデッド・エディション2Dブルーレイ [Blu-ray]
(2013/12/20)
ブラッド・ピット、ミレイユ・イーノス 他

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宇宙戦争と同じく序盤~中盤は驚きと絶望、そして足場の悪い着陸地点。


 「ワールド・ウォーZ」は”怖い”と考える暇さえ与えない、ハイテンションパニックムービーである。序盤、ジェリー家のよくある朝食シーンを最後に物語はラストまで感染者Zからの逃亡劇と化すのだ。例えば、「インデペンデンス・デイ」のように巨大な宇宙船が飛来して一定時間が経過の後に破壊でもなく、「デイ・アフター・トゥモロー」のように地球の異常気象の兆候を投げかけた後のスーパーフリーズが始まるわけでもない。冒頭のテレビニュースで、鳥インフルエンザの流行を若干は謳っているものの、人が未知のウイルスに感染して襲い掛かる”Z化”は突如として始まり、詳しい情報もないままラストのラスト付近までその感染を抑えることはできないのだ。

 「ワールド・ウォーZ」の感染者は死んだ人間が蘇る訳ではないので、ゾンビと形容するのは微妙なところだが、今作のZ=ゾンビは特に手強い。襲われた後12秒で狂暴化する爆発的感染力、走るゾンビとそのスピード、車のフロントガラスを頭で突き破るパワー。「ドーン・オブ・ザ・デッド」「28日後…」「バイオハザード」等それまでに様々なゾンビを観たが、その最高峰ともいえる能力である。




*****以下、ネタばれ注意*****




 鑑賞後は以下の点で、似たような映画が他にあったなと真剣に悩む。

・地球規模の崩壊が突然、同時に始まる。
・主人公がハリウッドスター。
・主人公が家族を守り、物語の展開がほぼ主人公視点。
・敵対する生物に関する情報が皆無、逃亡に徹する。
・前半にスペクタクルな描写があるが、後半は一転してミニマムな動き。

 熟考の後に思い出したのがトム・クルーズ主演の「宇宙戦争」だった。特に前半の大規模さと、後半尻すぼみの印象が両者似ているような。今作でいえば、イスラエルの壁を乗り越えてくるゾンビの塔は未曾有の映像描写だったが、そこをピークにラストはウェールズの研究所で音を立てずに侵入し、1体のゾンビと攻防を繰り広げる矮小なもの。宇宙戦争の納屋のシーンを彷彿とさせるが、上空から何千何万とゾンビを観た後に1体のゾンビと研究室の1室で籠城という対比も観方によれば、なかなかユニークなものである。

 ただ、トム・クルーズとブラッド・ピットとで大きく違っていたのが職業だ。宇宙戦争が普通のブルーカラー労働者に対し、今作は元国連職員。そのために感染源を突き止めるという任務の一旦を担い、最終的に人類を救うワクチン製作を導いた、いわばヒーローになるという点で展開が異なる。元国連と特別任務というだけで、行く国々で手厚く迎え入れられたことや、周りの人達の物分りの良さ、協力体制の良さには若干の疑問が残った。

 「ワールド・ウォーZ」の完成までには予算の都合や、度重なる脚本のリライトなど、なかなかの難産だったと聞く。ラストの駆け足気味なナレーションと不自然な収束感はその辺りの影響がありそうだ。それまで上手に終焉世界を描いていただけに、足場の悪い着地点が非常に勿体なく思えた。


■関連作品■
007/慰めの報酬 ★★
イングロリアス・バスターズ ★★★★
ベンジャミン・バトン/数奇な人生 ★★
オーシャンズ13 ★★★


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(2013/12/20)
ブラッド・ピット、ミレイユ・イーノス 他

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ローン・レンジャー MovieNEX [Blu-ray]ローン・レンジャー MovieNEX [Blu-ray]
(2014/01/15)
ジョニー・デップ、アーミー・ハマー 他

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海賊映画は大成功、では西部劇は…??


 「ローン・レンジャー」 アメリカでは興行収入が散々な結果となっている。製作ジェリー・ブラッカイマー、監督ゴア・ヴァービンスキー、主演ジョニー・デップ、ウォルトディズニーピクチャーズといえば、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズを生み出した強力な面々の組み合わせである。「海賊映画はヒットしない!!」という映画界の定石を覆し世界中で大ヒットさせた彼らだったが、西部劇は同じようにはいかなかったようにある。

 思い返せば「ローン・レンジャー」には「パイレーツ・オブ・カリビアン」との類似点が多い。

・製作スタッフ(音楽を含め)が同じ、現代劇ではない。
・ジョニー・デップ(トント)は主役ではなく、あくまで補佐的な立ち位置。
・ジョニー・デップの奇抜なコスチュームと動き、分かりにくい曖昧な意志と行動。
・主人公、ヒロインのキャスティングは現時点ではハリウッドスターではない。

 スタッフ、脚本、キャスト、製作費等々、全ての面で恵まれ手堅い印象を受けたが、その手堅さこそが新鮮味を削ぎ強烈な中だるみを生み出している。序盤とラストのウィリアムテル序曲にアクションを紡いだ一連の列車シークエンスは素晴らしいが、それ以外の部分の求心力が恐ろしく低い。回想を挟んだことによるテンションの低下、トントのギャグ、アーミー・ハマーの起用、上映時間、過度な期待…”たられば”になるが、映画をヒットさせることの難しさを改めて思い知らされたようにある。

 ジョニー・デップのいわゆるコスチュームキャラクターは、ジャック・スパロウでひとつの到達点を迎え「アリス・イン・ワンダーランド」を経由したいま、どんなコスチュームも奇抜な動きもやはりジャック・スパロウに重ねて観てしまう。彼のカメレオン的な洞察は楽しいが、素顔や別ベクトルでの演技を追求しても良いのでは。

 「インディアン嘘つかない」「ハイヨ シルバー!!」という言葉はどこかで耳にしたことがあったが「ローン・レンジャー」が起源だということを知り、驚く。アメリカで爆発的なヒットを飛ばした同テレビドラマは、1958年から日本でも放送され多大な反響があったようだ。そういえば鑑賞した劇場でも高齢の方の姿が目立った気がする。新しい解釈でのローン・レンジャーを、そのような世代の方がどのように見つめたのか気になるところだ。


■関連作品■
パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち ★★★
パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト ★★★
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド ★★★
パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 ★★
パブリック・エネミーズ ★★★
ツーリスト ★★
ソーシャル・ネットワーク ★★★


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