セッション コレクターズ・エディション [Blu-ray]


セッションにより辿り着く、恐ろしくも感動的な瞬間。


 圧巻である。「セッション」は単なるヒューマンドラマではない、音楽教師と偉大な音楽家を目指す若者の奮闘を扱うが、よくある音楽スポ根映画、または青春映画とも違う。スリラーか、もっと言えばSM映画ではなかろうか。

 終盤、演奏会ステージ上のマイルズ・テラーの恍惚な表情に、今、射精しているだろうなと感じ、一方のJ・Kシモンズも教え子の開花に射精したに違いない!!と、思ったほどだ。…射精は若干言い過ぎだが(笑)それに近い状態にいたのは想像に難くないだろう。2人しか分からないシンパシー。紆余曲折の末、達観した次元に辿り着く、恐ろしくも感動的な瞬間だ。

 主人公、ニーマンのみの視点で進む物語、彼の感情は鬼共感フレッチャーの揺さぶりにより、劇中で何度もアップダウンを繰り返す。また展開としても師弟関係の構築・崩壊・復活??と絶妙な転がりを見せる為、鑑賞側もニーマン同様に(良い意味で)フラフラの状態となってしまう。

 多くの人が今作を「フルメタル・ジャケット」に準えるが、私はどことなく「ミザリー」の要素を想起させた。小説の内容が自身のイメージと異なることで激情したキャシー・ベイツはJ・Kシモンズを。その狂気から逃れようとするのが、ジェームズ・カーンなのだが、今作のニーマンはその狂気から逃れず、悪魔を自分に取り込む。優しい父親の抱擁を振り払いステージに戻る姿は、復讐を完遂させる悪魔のようである。例えるならマイルズ・テラーもキャシー・ベイツとなり、舞台上にキャシー・ベイツ扮するアニー・ウィルクスが2人居る状況。この世のカオスだ(笑)

 本作の魅力を語るうえで、マイルズ・テラーとJ・Kシモンズの熱演は外せないが、その2人以外にも、ニーマンの昇格によりメインドラマーを降ろされたネイト・ラングが気になった。特に嫌な奴でもなく、独特の佇まい。どことなくマチュー・アマリックに似ており大きな瞳が印象的だ。今後活躍が期待される、マイルズ・テラーやメリッサ・ブノワと併せて注目したい俳優である。


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