 | こわれゆく世界の中で ジュード・ロウ.ジュリエット・ビノシュ.ロビン・ライト・ペン.マーティン・フリーマン.レイ・ウィンストン.ヴェラ・ファーミガ.ラフィ・ガヴロン.ポピー・ロジャース.ジュリエット・スティーヴンソン (2007/09/19) ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント 映画の詳細を見る |
原題は「Breaking and Entering」、邦題は「こわれゆく世界の中で」。邦題の「こわれゆく」とは都市開発で失う古い街並みと、ジュード・ロウ、ジュリエット・ビノシュの2家族の状態を示す言葉なのだろう。
*****以下、ネタばれ注意*****
都市開発の手順を説明するシーンで「古いものを壊す」というニュアンスの台詞があったが、それをなぞるようにジュード・ロウは家庭を壊しジュリエット・ビノシュと情事を重ねてしまう。その行為は結果として、夫婦の絆を改めて繋げる原因になったのだが、よりよい関係を求め一旦は現在の間柄を壊すという根底のテーマは面白い。しかし、ジュリエット・ビノシュと出会うまでを丁寧に描いていたのに対し、回復する際のラストの駆け足感、圧縮したかのような流れには違和感を覚えた。
今作を鑑賞して思ったことは女性の強さだった。ジュリエット・ビノシュがジュード・ロウと関係をもったのは、本心からではなく息子の刑務所入りを阻止するための防衛作でもあり、祖国の紛争から逃れた母親として力強く生きている。またスウェーデンから移住してきたロビン・ライト・ペンも、人工太陽を必要とするような軽度の鬱病を患っているが、自らを顧みず、娘の治療に全力を尽くすために労を惜しんでいない。劇中で2人はそれぞれ車を思い切り蹴飛ばすシーンがあるのだが、車内にはストレスの対象となっていた男性が乗っていたのだ。売春婦も清掃員も脇役ながらそれなりに記憶に残るもの。「こわれゆく」とは前述の家族の状態の他にも、偏った男性社会の崩壊という側面もあるのでは、と思わず勘繰ってしまった。
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