パンチドランク・ラブ ★★★

パンチドランク・ラブ DTSエディションパンチドランク・ラブ DTSエディション
(2005/07/06)
アダム・サンドラーエミリー・ワトソン

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 「パンチドランク・ラブ」は『無国籍映画』とも言える新しい感覚の作品だった。

 主人公のバリーには口うるさい姉が7人もいる、バリーはかんしゃく持ちである、マイレージを稼ぐためにプリンを大量に購入、セックスダイアルを使用したがために脅される、吸盤棒を扱うよく分からない事業。このような興味を惹くエピソードが劇中には散りばめられているのだが、全てにおいて深く入り込まずにそれぞれれのオチを半ば放棄している。

 恋愛映画にある、片想いから紆余曲折の末にめでたくハッピーに!!という時間帯もなく、2人の仲が危ぶまれるほどの大きなケンカも出来事もない、大きな見せ場もない。最初に道を横切ったトレーラー、食事の後の道で横切ったトレーラー、道端に捨てられたハーモニウムは何らかのメタファーだったのか??よくよく思い直すと理不尽なことも消化不良の点も多い。なのに今作は隅に置けないほどに面白く、画面から熱が伝わってくるほどに刺激的な映像体験だった。

 「ブギー・ナイツ」「マグノリア」で群像劇を描ききったポール・トーマス・アンダーソン監督は、今作で様々な実験をしているように思う。それは映画に対する新たなアプローチや文法の提案であり、全く受け付けない人も多数いたのではないだろうか。今作に関して、手放しに素晴らしいとは言えないものの、新たな伝達手段のヒントがある気がしてならない、そのような意味でも監督の今後の作品に期待を込めたいものだ。

 ポール・トーマス・アンダーソン作品常連のフィリップ・シーモア・ホフマンがやはり面白かった。「shut up!!」と連呼する電話のシーンが今作最大の見所だろう。登場時間が短かったせいか、セックスダイアルのボスとして、彼にスポットを当てた物語も見てみたくなった。


■関連■
M:I-3 ★★★
ブギーナイツ ★★★★
チャーリー・ウィルソンズ・ウォー ★★
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4 Comments

パタリロ  

 はじめ、この映画は「何じゃ、これ!」と松田優作したくなりましたが、「駄作」と決め付けきれないオ-ラを感じていたのです。何故???とおもって、解けない謎映画だったのですが、まさきさんのコメントよんで、納得!横切るトレ-ラ-、捨てられたハ-モニウム、プリン、もろもろのエピソ-ドや場面が、ばらばらに投げ出されている。まとめようと思えば、出来たはずなのに、敢えて中途半端。それがこの映画の意図かも。ただ、今回のアダム・サンドラ-は好きにはなれませんでした。この人がでているから見たのですが・・・・

2007/09/30 (Sun) 08:34 | REPLY |   

>パタリロさんへ  

 前作、「マグノリア」が絶賛されすぎてポール・トーマス・アンダーソン監督も新しいことを模索しているように思えます。群像劇ではない物語の、別の切り口を提案したのではないでしょうか。アダム・サンドラーは僕はそこまで好きではなかったのですが、今作の彼はなにか浮いていたような(笑)キャラクターのせいなのか違和感がありましたよね。

2007/09/30 (Sun) 11:01 | EDIT | REPLY |   

パタリロ  

 アダム・サンドラ-は日本ではいまいちブレイクしませんね。古くはスティ-ブ・マ-チンなんかも、一部の人には絶大な人気があったのですが、結局日本ではそこそこの人気で終わったようです。私はこの人めちゃめちゃ好きで、ビデオ(そのころはDVDではなかったのだ!)で出ている限り見ました。真面目な顔して、変な人やらせれば世界一だったと思います。今、どうしているのでしょうか?この前、なにかで脇役で出ているのを見たのですが、さえませんでしたねえ。

2007/09/30 (Sun) 14:35 | REPLY |   

>パタリロさんへ  

アダム・サンドラーは代表作がないような。あとジョークもベタで割とアメリカ向けのような気がします。
スティーブ・マーティンは「サボテン・ブラザース」が好きです!!この人もザ・アメリカの面白いお父さん像のようで、日本うけしなかったのですかね。最近はあまり観ませんが、さえてなかったんですね(笑)

2007/09/30 (Sun) 16:08 | EDIT | REPLY |   

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