ゴールデンゲート・ブリッジで自殺をする人々を捉えた問題のドキュメンタリー映画。驚いたのは自殺をする、橋から飛び降りる瞬間の映像が固定カメラではなく、人の手によって撮影されたものだということだ。
つまり自殺をする瞬間が偶発的な出来事ではなく、時を同じくして克明に目撃していたカメラマンが居たということである。橋の上で同じ場所を何度も行き来し、迷う行動が自殺者にはあり、その挙動不審な言動を察知すればカメラマンはその行為を止めることもできたのだ。今作は自殺問題を強く肯定も否定もせず、問題提起を扱うに止まっている。自殺の是非を問うという、スタンスのようだがその前にカメラマンはどのような気持ちで撮影していたのか、その瞬間に「すごい映像が撮れた」と内心では思っていたのではないだろうか??撮影を終えた後に少しでも気が咎めたのだろうか??この辺り、ジャーナリズム・製作という観点、人道的・道徳観など境界線が非常に難しく、ピューリッツァー賞をとったケビン・カーターの問題ではないが、なんともすっきりせず気持ちが悪かった。
今作ではゴールデンゲート・ブリッジで自殺した人の家族や友人のインタビューが全体のほとんどを占めている。そのなかで橋から飛び降りて助かった男性と、その家族のインタビューは興味深く、両者の想いの違いが鮮明に見て取れた。それでも前述のように作品が問題提起に止まっているせいか、鑑賞し終えても記憶に残ったのは、壮大な景観のゴールデンゲート・ブリッジの映像と飛び降りる際の映像くらいである。
自殺は今や大きな社会問題だ。腫れ物に触るな、タブーに触れるな、とは言わないが今作のように微妙なラインで描くことは、ウェルテル効果や模倣性を増長させる危険も潜んでいる。踏み込むには相当の覚悟が必要だが、そういう意味では「ブリッジ」は自殺問題というものを根本から捉えきれていないような気がした。
mixiの足跡を辿ってきてしまいました。
実は私もこの作品、見たばかりでして。
その光景に衝撃を受けました。
こういう作品は、日本では絶対に作られないですね。