朝起きたら昨日と同じ日が始まった。2月2日という日を何度も生き、そのループから抜け出せないという異色のストーリー。海外ドラマやX-FILES等で同じようなエピソードがあったが、自分ならどのように行動するかな、と想像を膨らませながら鑑賞すると面白い。
同じ日を生きるということなのだがある程度の規制があり、これが作品のミソでもある。移動したもの壊したもの作り上げたものは朝の6時までにリセットされ、必ずベットで目覚めるところからスタート。唯一、蓄積できるものは自分の記憶や身につけた技能のみで、他人の記憶や行動は全てリセットされる。
自分なら毎日映画を観まくり、沢山の女性に声をかけるものの何も積み上げることのできないため、徐々にそのループに悲観してしまうと思う。劇中のビル・マーレーも正にそのような言動の順番だった。最初は昨日と同じ日が繰り返されることに驚くのだが、そのうちに欲望の赴くままに行動する。お金を盗んで高級車を買ったり、女性を誘惑してベットインに持ち込んだり...その内に繰り返しに悲観し自殺をはかるものの、車に撥ねられようと飛び降りようと生き返り、同じ日を生きなければならない。
この思考の順路が実にリアルであり、後半はラブロマンスの色が濃い展開になるのだが、「明日になると君はこの事を全部忘れてる」という台詞通り、人は独りでは生きていけない、繰り返しのような毎日であってもなにかを残して生きていかなければならない、という哲学的なメッセージも読み取れ、なんとも知的好奇心が擽られる。
*****以下、ネタばれ注意*****
劇中では、自分だけが何故このループにはまったのか、そのような原因を教え救済してくれる時の番人のような存在が無いのもユニークだ。そのため主人公も鑑賞者も物語のゴールが分からないため、ビル・マーレーと同じく既視感と迷走を体験することになる。結局、正確な繰り返し日数は分からないが、内容を察するに1年ほどは同じ日を生きていたと思う。なんの前触れも無くループが始まる恐怖と1人の女性に対する想い、他に類を見ない展開だが最終的にハートフルな気持ちに包まれた。デジャブ現象と同じく、オリジナリティに溢れた忘れがたい作品だと言える。