主人公は僕だった ★★

主人公は僕だった [Blu-ray]主人公は僕だった [Blu-ray]
(2010/05/26)
クイーン・ラティファ、ダスティン・ホフマン 他

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 不満のある毎日、同じように繰り返される毎日、なにがきっかけとなってそれが変化するかは分からない。国税庁会計検査官ハロルド・クリック、彼の変化は頭の中に聞こえてくる声によってもたらされた。歯ブラシを動かす回数、バス停までの歩数まできっちりと決めていた彼がそのルールから脱し、大切な人を見つけ自分の存在意義を見い出すという展開は、なんとも清々しいものだ。

 知らぬ間に小説の主人公になっていたという設定は特殊なものだが、言い換えれば誰でも自分からの視点は一人称であり、生きていく中で誰もが主人公である。天からの声は期待しないが今作を観ると、どんな些細なことからでもなにかを変えてみたくなる、そんな想いが心のなかを駆け巡った。




*****以下、ネタばれ注意*****




 「エターナル・サンシャイン」や「恋愛睡眠のすすめ」など知的で頭を刺激する、特異な設定のドラマは個人的に好きで今作もどのようなラストになるのか期待をしていた。しかしダスティン・ホフマンがあらすじを変えた劇内小説を「まあまあ」と評したように、この作品のラストもなんとも平凡なものであった。あれだけ意味のある死、これ以外の結末は考えられないと言った割には予想内であり、その後の展開も物足りないものに。それをも包括した「まあまあ」の台詞だとしたら、なんともシニカルな映画ではないだろうか。

 予告編などで観れたほどコメディの要素は少なく、真面目に丁寧に仕上げているなという印象をうける。クリックの頭の中の計算が、画面上に数字で現れる演出もポップで目新しく楽しいものだ。手堅い芸達者な出演陣のなかで、スランプに陥った退廃的な小説家を演じたエマ・トンプソンに好感がもてた。近年は「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」、ハリー・ポッターシリーズなどSFファンタジー色が強かったのだが、本作の活き活きとした久しぶりの彼女の演技には嬉しくなる。またダスティン・ホフマンがコーヒー好きで、カップコーヒーを買ったり、注いだり戻したりコーヒーメーカーを弄ったり、どうでもいい演出が面白かった。


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ホリデイ ★★★
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