キサラギ ★★★

キサラギ スタンダード・エディションキサラギ スタンダード・エディション
(2008/01/09)
香川照之、ユースケ・サンタマリア 他

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  「そもそもジョニー・デップをこの角度から見たことがない」
会話の節々にあるイントネーションが、妙に耳に残るのも「キサラギ」の魅力のひとつだ。同じように密室劇で、死んだ人の原因を追求するというプロットは「12人の怒れる男」を思い出す。その死因の追求というシリアスなテーマも、アイドルおたくが詮索するためどこかコミカルであり、ネットで知り合った特定不能の5人の男が集まるというのも今時らしい設定。外の天気が晴れ→雨→夕焼けと推移したように、サスペンスフルな路線から一転してハートフルな表情も見せる後半への展開は見事だった。




*****以下、ネタばれ注意*****




 密室劇での推理は、台詞や小道具のなかにさりげない伏線を忍ばせる必要がある。物語が二転三転するなか、隅々に張り巡らされた伏線をほとんど回収し、観客を納得させる面白い結末を用意した脚本はよく練られていたと思う。


キサラギ プレミアム・エディション (初回限定生産)キサラギ プレミアム・エディション (初回限定生産)
(2008/01/09)
小栗旬、塚地武雅(ドランク ドラゴン) 他

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 ただ個人的に残念だったのは如月ミキの身内を登場させすぎたこと。5人の男の素性があまりに彼女寄りに偏っていたため、「実は父親だった」という発言の頃にはになんの驚きもなくなってしまっていた。この父親は、序盤でマネージャーに殺されるような緊迫した場面があったが、そこで父親だと正体を明かすのが普通ではないだろうか。自分の素性をサプライズ要因として引っ張ったために、よくよく思い返すとリアリティに欠けるシーンもあったように思える。また、あれだけ隠していたアイドルの顔をばらしたのも「キサラギ」の世界観を明かしたようで蛇足に感じてしまった。正直者でそそっかしい、捉えどころがなく不思議だったという彼女、そしてアイドルは所詮虚像と劇中で言っているのだから、最後まで秘めた存在でいたほうが作品に即した演出だと思う。

 出演している5人は、現在絶好調の小栗旬を筆頭にユニークな面々が集まっていた。そのなかでも「いちご娘」を演じた香川照之は、ベテランのせいかその立ち振舞いは他の人より群を抜いて巧い。彼の怪しげな挙動から、一変して父親の顔に移り行く様子は自然であり、退屈になりがちな会話だけの物語の質をそっと支えている要因となっていた。


■関連作品■
HERO ★★


[ 2008/01/12 00:00 ] コメディ | TB(1) | CM(0)
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