しゃべれども しゃべれども ★★★

しゃべれども しゃべれども 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]しゃべれども しゃべれども 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]
(2007/11/09)
国分太一.香里奈.森永悠希.松重豊.八千草薫.伊東四朗

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 「扇一本、舌先三寸」 落語家を形容する冒頭のナレーションが耳に残る。
 農家は稲がないと米が作れない、小説家でも紙とペンが必要だ。そう考えると、落語家は自分の口先だけが商売道具である。口だけで勝負をする世界、そこから生計を立てるというのは職人らしい格好良さを覚えてしまうが、難しくもあるだろう。そのような日常とは離れた位置にある、伝統の世界を描いたのは近年の落語ブームからだろうか。

 刺激的な映像や聴き心地の良い音楽が娯楽を支配するなか、落語という分野はなんとも大人しいものだ。今そのブームに飛び込めたのは情報にあふれた現代人に「想像する」という喜びを与えてくれるからなのでは、と個人的に思っている。劇中では「火焔太鼓」という話を何人かが語るのだが、その語り手によって登場人物の色が違って見えたり、景色が違って見えたりと想像を巡らせながら興味深く鑑賞できた。また、オチが終わって物語を閉じる際のあっけなさ、刹那の間が好きだったりする。

 本編では、蚊取り線香、手動のかき氷製造機、エアコンのない家など現代寄りではな小道具が目につく。各シーンにスタジオ感はなく、常にその場所で撮影したであろうライブ感にあふれていた。主要4人の成長期が物語の軸となるが、現代劇でありながら下町風情のみを映すこだわり、落語家の語り口のように製作者の情熱が画面から伝わってくるようだ。
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