「アバウト・ア・ボーイ」を観ると、なんとなくだが気恥ずかしい気分になる。主人公のウィル(ヒューグラント)の考え方が自分と似ているからだ。さすがに無職とまではいかないが、自分の"島"を固持する彼の毎日の暮らしに共感するような、反省するような、後ろめたさを感じてしまうのだ。
*****以下、ネタばれ注意*****
38歳にして独身、親の遺産だけで優雅に生活を送るウィルが「僕は誰にも何にも意味のない人間だ」と独白するシーンは感慨深い。あまりに自由すぎてストレスが全くないことが、逆にストレスになるとは皮肉なものだ。ある程度の抑止や管理、ストレスがあって、初めて人間は生きる意味や価値・自由を感じることができるのだろう。そのようなダメ人間をヒュー・グラントが爽やかに演じているせいか、よくよく考えると暗く重いテーマも、ユーモラスに仕上がっているため鑑賞していても最後まで飽きることはない。嫌なことから逃げてきたウィルがマーカスをかばい、かっこ悪く「Killing Me Softly」を熱唱するシーンは感動的であった。
「ブリジットジョーンズの日記」の時に比べ、短髪になったヒューグラント。本作では歌声を披露したり、カジュアルなファッションだったりと彼を観るだけでも充分に楽しめる。
■関連作品■
ブリジットジョーンズの日記 ★★★★ブリジットジョーンズの日記/きれそうな私の12ヶ月 ★★★ラブソングができるまで ★★★ニューオーリンズ・トライアル ★★★イン・ハー・シューズ ★★★リトル・ミス・サンシャイン ★★★