複数人の高校生のとある1日を追っていく展開は、ガス・ヴァン・サントの「エレファント」を思い出させた。「エレファント」のラストが銃乱射という出来事に向かうのに対して、今作が提示しているのは自殺という結末である。どちらの作品も映像に仄かな暖かみを混ぜ、青空を長回しで撮影していたガス・ヴァン・サント監督の画が、青々とした木の葉を下から撮っている今作の画と重なって観えた。
*****以下、ネタばれ注意*****
冒頭で誰かが自殺した様子を見せておいて、時間が遡り、朝からその間の出来事を追うという構図。主要の人物で誰があの選択をするのかなと思っていたら、意外にも主要人物ではない人が自殺をしてしまう。観客へのミスリードを誘うこととは別に、無関心こそ最大の落とし穴ということに気付かされる。「彼女は何も悩みがないようだったのに」という同級生の台詞がそれを象徴していた。動機も曖昧で突発的な行動にでることは若者特有のものであり、形にならないものをスクリーン上で巧く表現しているように思える。
印象的だったのは登場人物のほとんどがトイレに篭り、そこで様々な出来事が起こるという点だ。学校に行っても、教室にも仲間内でも彼らには居場所が無いのである。孤独感・逃避という心理を具現化したのが、そのような場所であり、19歳から製作に励んだという若い監督ならではの感性が垣間見えた。