「お前が望むんだったら こいつを殺す」「今度やったら女でも殺す」という台詞の数分後のシーンでは「赤ちゃん産もう」。命に対して考えが軽すぎである。「恋空」は40億円近い興行収入を収め大ヒットを記録した。若年層の支持が、興行収入を牽引する形だったのだが、上記の台詞や感覚に全くついていけなかった。
また前半でレイプシーンがあるのだが、この展開が物語のリズムと登場人物に対するリアリティを削いでいた。2人の愛の深さを測るため、あるいは原作に忠実であるがために挿入されたのかもしれないが、2時間で語るには短く、レイプ・妊娠・中絶のシーンが急転直下の出来事であり、気持ちが乖離してしまう。
今作では最大限に不可解な演出がある。三浦春馬が差し出した花のプレゼントに対して新垣結衣は「花が可哀想だよ」と言い残して立ち去る。その後、三浦春馬は律儀に花を植え直すのだが、このシーン以降、新垣結衣が何度も花を差し出しているということだ。あれほど花を摘むことを嫌悪していた女性が、花束を渡したり、菜の花のブーケを喜んだりとその行動が理解出来ず、最後まで気持ち悪かった。「いやいや、花あげてるやん!!」っと、野暮なツッコミをいれてしまう。
「恋空」という造語は好きである。言葉のイントネーションや「今も空に恋をしています」という心情も爽やかなもの。Mr.Childrenの「旅立ちの唄」がエンディングテーマとなっているが、フルで流れたことはファンにとっては嬉しいことだった。
*****以下、ネタばれ注意*****
今作はケータイ小説が原作のせいか、劇中でも携帯が必須のツールである。美嘉とヒロの出会いや別れ(最期)に至るまで携帯電話が用いられ、写メ・メール・テレビコールと機能もフルに活用している。一方で中盤以降の福原優との付き合いでは、携帯は出てこず、直接の会話がメインとなった。デジタルとアナログ人間の対決のようだが、今回はデジタルに軍配があがる。現代では携帯電話の所有は当たり前であり、それを無くしては恋人の関係は成り立たないといっても過言ではない。
「永遠に…」という言葉を連呼していた2人だが、気持ちを表現・代弁したのも携帯である。例えば設定を1990年にしたら果たして2人は出会っていたのだろうか、運命の人として関係が成り立っていたのか、携帯に依存し過ぎている2人を観て、そんなことをふと思った。
■関連■
旅立ちの唄 / Mr.Children"HOME" TOUR 2007 DVD/Mr.Childrenキサラギ ★★★
まさに半分くらい同じ気持ちで観ていました。
自分だけじゃないんだなーと思うと・・。
ほんと、ベストセラー本が泣きますね〜