*****以下、ネタばれ注意*****
2時間30分近い上映ラストに主人公の巨大な性器を見せるという、前代未聞の画にこの上ないインパクトを覚えた。「キメた」という最後の台詞もクールなもので、弱冠26歳で監督を務めたポール・トーマス・アンダーソンの自信に満ちた心の声を代弁しているようである。
分かり易い物語だが「ブギーナイツ」が面白いのは、ポルノ業界を舞台にしているということだ。数多くの登場人物をバランスよく配置し、見せ場をつくり、魅力あるキャラを創造することにも成功している。それぞれのキャラクターには"特技""目標""弱み"があり、一旦は成功を収めるがそこから転落、最後に再び立ち上がるというもの。それ故、ほとんどの人物が集結する豪邸での華やかなパーティーシーンは見所のひとつと言えるだろう。
また本編ではセックスシーンやドラック、高級車に洒落た家具や小物など、人間の欲求を満たす・本能を刺激する描写が多い。そこに溺れる人間模様が可笑しくも絶望的であり、愚かなことをしようが、駄目人間ながらほっておけないという心理に見事に引っ張られるのだ。
ポール・トーマス・アンダーソンは今やハリウッド屈指の才能ある監督として認められている。「ブギーナイツ」に出演している俳優もこの作品以降、確実にキャリアを伸ばした。
・マーク・ウォールバーグ→「ディパーテッド」でアカデミー助演男優賞にノミネート
・バート・レイノルズ→今作でアカデミー助演男優賞にノミネート
・ジョン・C・ライリー→「シカゴ」でアカデミー助演男優賞にノミネート
・ジュリアン・ムーア→「エデンより彼方に」などアカデミー賞の常連に
・ドン・チードル→「ホテル・ルワンダ」でアカデミー主演男優賞にノミネート
・フィリップ・シーモア・ホフマン→「カポーティ」でアカデミー主演男優賞受賞
いま考えると「ブギーナイツ」の共演が奇跡に思えるほどの輝かしい俳優陣だ。才能を開花させたい、キャリアアップしたいとのことで、監督の作品に出演を熱望する俳優は後を絶たないだろう。
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