"覗く"という行為にこれほど確執した映画は、これと「裏窓」くらいだろうか。ジェームズ・スチュワートがカメラを必死になって握っていたように、「ディスタービア」ではデジタルビデオカメラやwebカメラなどデジタルツールを駆使して"覗き"を貫いている。
郊外型の典型的ミドルアッパーの生活観。2階建ての大きな家、青々とした芝が生えた庭、プール、自動皿洗い機にいたるまで日常の空気が心地良い。また、XBOX360、PSP、i-pod、ジャンクフード、コーラ、ピザ、マーサ・スチュワートなど現代アメリカを象徴する小道具・演出の多さ。それらを絡めたシャイア・ラブーフのゆるい、自宅謹慎生活が羨ましく微笑ましかった。
*****以下、ネタばれ注意*****
今作が目新しいスリラーとして注目されたのは、覗くことに加えて一定の範囲から動けないGPS装置を付け足したことだ。実際にこのような装置で監視をしているのか気になったが、主人公へのストレス・スリルを与える脅威として、新鮮且つ効果的だった。家からでないように奮闘していたシャイア・ラブーフが、ラストで助けを求めるために、必死で境界線から出ようとする逆転の演出は巧い。
難を挙げるなら、最後のデヴィッド・モースとの対決が長過ぎたことだろう。自分の家から相手の家へ、さらには地下へと追走劇をたっぷりと描いている。覗きや動けないことを利用した作品なので、このルールからはみ出さずに決着をつけてほしかった。また真犯人の意外性のなさ、デヴィッド・モースに殺人に対する動機や変体性を加えると、悪役として魅力が深まったと思う。
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