ONCE ダブリンの街角で ★★★

ONCE ダブリンの街角で デラックス版ONCE ダブリンの街角で デラックス版
(2008/05/23)
グレン・ハンサードマルケタ・イルグロヴァ

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 劇中で歌われる素晴らしい楽曲の数々。物語は実にシンプルだが"音楽"を通じての交流は爽やかな感動を運んでくれた。新鮮な語り口の本作は、まさに現代版オペラのようであり、映画と音楽の融合に新たな可能性を感じさせる。

 「ONCE ダブリンの街角で」では主役の2人を中心に、ダブリンに住む人々との出会いと別れを描いている。普段はその心情を相手に伝えられず、過去の出来事を引き摺る2人が"音楽"を前にすると、素直な気持ちを吐露する場面が印象深い。グレン・ハンサードの絞り出すように歌う高音の声や、ヒロインのマルケタ・イルグロヴァの優しく悲しい歌声は、鑑賞後も胸に共鳴するものがあり、今作のサウンドトラックがヒットしたのも納得できるものだ。

 物語と同調する要因に音楽があったが、ハンドカメラで撮影された映像も独特なものである。決して綺麗なものではないが、手振れやざらついた質感はリアティを与え、なんでもない2人を俯瞰視しているような自然な空気を生みだしていた。低予算でも作り手の情熱が伝わってくる革新的な映画だ。
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