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(2013/12/20)
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様々な制限があって生まれる、映画への情熱。


◆魔法の瞬間
 ジョージ・ルーカスがそのことを「魔法の瞬間」と表現したように、インディ・ジョーンズのシルエットが浮かび上がった瞬間、ただならぬ感覚が身体を包んだ。まだ物語が始まっていない冒頭に起こる感情は、長い年月を経ての復活の喜びと、このシリーズがやはり大好きだったのだということが、純粋に自分のなかで確認できた瞬間でもあった。無条件で心を掴むヒーローの存在は、他の作品では起こりえない感動を運び「これこそが映画の醍醐味だ」と改めてそう感じたのだ。


◆大人になったインディ・ジョーンズ
 19年ぶりの新作とのことで劇中内のインディ・ジョーンズも年齢を重ねている。彼は1899年生まれのため、今回の時代設定では58歳。「最後の聖戦」が39歳の頃の話なので、映画内でも19年の歳月が過ぎたことになるのだ。そのため自身の立場も変わり落ち着きがあり、大人になったなという印象をうける。それはインディに限らず、スピルバーグやジョージ・ルーカスの映画製作に対するスタンスにも当てはまることだった。




*****以下、ネタばれ注意*****




 インディ・ジョーンズというキャラクターの良さは、知的・ユーモラス・絶対に諦めない精神、この3点の複合に限ると思う。今作では歳をとり大人になったせいか、ユーモアやアクションを息子であるマットが受け継いでおり、さらに知的な謎解きに関しても、友人のオックスリーがそのほとんどを導き出す。彼自身が常に前線に構え、ボロボロになりながら突進していくというより、チームを指揮する監督へと成長しており、若干の物足りなさもあるが頼もしくもあった。


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(2008/11/07)
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◆無限の創造力と抑止
 少し残念なのが、アクションや見せ場に対する演出の工夫の少なさである。これまでは、トラック・トロッコ・戦車などインパクトのあるチェイスシーンが用意されていたのだが、今作ではその味付けがかなり薄い。ジャングルでの追走劇が見所で、ジャングルカッターなるいびつなマシンが登場するも、インディがロケットランチャーで一掃してしまう。これまでのシリーズなら、このマシンを利用し、敵兵と壮絶なバトルを展開。何人かの兵士がカッターに巻き込まれ、血まみれの餌食になると予想できるのだがあっさりと終了する。

 また軍隊アリの大群も、CGであることがすぐに分かり気持ち悪いというより、規律のとれた動きは綺麗とも映った。「魔宮の伝説」で本物の昆虫を喜んでケイト・キャプショーに投げつけていた、あの感覚を思い出して欲しかったところだ。グロテスクな描写が少なくなったのもスピルバーグ、ジョージ・ルーカスが大人になった証拠なのか、ファミリー映画としてそのことよりもSF的な描写に力が入っていたように思える。しかしその一方で、アステカ文明を思わせるアケトーの神殿やナスカの地上絵での壮大な俯瞰視点はCG技術がこれを可能にし、冒険活劇の見せ方に新たな可能性を示したのも事実である。

 インディ・ジョーンズ同様に、スピルバーグ、ジョージ・ルーカス両者も19年の歳月を経て、多くの成功と新たな技術を獲得した。無限の創造力と潤沢な製作費。映画人として成功した2人が何の弊害もなく製作したことが、逆に本来の演出を忘れてしまったのではないだろうか。予算や環境など、なんらかの抑止があってこそ、誰も考え付かなかったアイディアが誕生するのだと思う。


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◆最強の敵・シリーズの今後
 個人的にケイト・ブランシェットが好きなせいか、初登場したイリーナ・スパルコの活躍が嬉しかった。ソ連兵を率い予知能力があるという謎に満ちた人物。長剣を得意武器とし機関銃を乱射するなど、冷酷さと強さを兼ね備えたシリーズ最強の敵である。時折見せる、気の抜けたような表情も面白い。

 「クリスタル・スカルの王国」はエリア51・ロズウェル事件に始まり、最終的にはアダムスキー型のUFOのようなものまで登場してしまう。SF的で意外な展開に賛否分かれそうではあるが、これまでのシリーズでも非現実の要素はあったので大いに楽しめた。ラストではシャイア・ラブーフに世代交代を示唆する場面もあり、シリーズの今後にも期待が高まるものだった。


■関連作品■
インディ・ジョーンズ/レイダース失われたアーク ★★★★★
インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 ★★★★★
インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 ★★★★★
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 ★★★

インディ・ジョーンズのジャパンプレミアに・・・
バベル ★★★
あるスキャンダルの覚え書き ★★★★
ディスタービア ★★
トランスフォーマー ★★★
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ジャンル:映画
コメント
おおむね賛成です。
私は幻滅度の方が高かったですが、おっしゃられていることへはかなり賛成します。
2008/06/15(Sun) 03:47 | URL | チュチュ姫 | 【編集
素直に楽しめました^^
こんばんは!!コメントありがとうございます。

金曜日の夜、カウントダウン上映で鑑賞しましたが、深夜にも関わらず人が多くて驚きました。やっぱり皆、インディ・ジョーンズのファンなんだなということを再確認。嬉しかったです^^

作品自体も探索パートは面白かったのですが、アクションパートで欲を言えばもうひと味欲しかったです。これまでのシリーズはチェイスシーンのオチ、乗り物の壊れ方のリアクションが多彩だっただけに何か工夫があれば、もっと良かったなと思います。

色々なことがあっても、さらっと終わるのがインディ・ジョーンズの良さ。それを踏まえて、あまり考えすぎずに純粋に楽むのが良さそうですね。
2008/06/15(Sun) 04:37 | URL | >チュチュ姫さんへ | 【編集
はじめまして
ミクシ足跡からたどりつきました。
ブログよくできていますね。
お気に入りにいれました。
今日は、インディのあと、「P2」観に行こうと思ったんですが、やめてしまいました。
そしたら、ここで、紹介されてたので、あら、びっくり。これからも、よろしくです。
また、きまーす。v-275
2008/06/15(Sun) 22:56 | URL | とく | 【編集
ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
お気に入りの追加、嬉しいです^^

「インディ・ジョーンズ」の後に「P2」とは、なかなかギャップのある組み合わせですね。
「クリスタル・スカルの王国」は最近の大作映画にしては、上映時間が短くテンポが早いところも良かったです。
2008/06/15(Sun) 23:09 | URL | >とくさんへ | 【編集
はじめまして
とても本格的な映画ブログですね。

肩の力を抜いてとても楽しめたんですが、ちょっと骨抜きになった印象がありました。ワイルドさが減った感じ。仰る通り謎解きもオックスにかなりまかせっきりですよね。(インディも歳を取ったからと思うことにしましたが。)

オカルト色が増した感じがするは、監督が大物になって好きにできるようになった影響でしょうか...。

ケイト・ブランシェット好演ですよね。あの時折見せるポカンとした表情も計算づくの演技ですよね...。ほんと、すごい女優さんです。

あとシャイア・ラブーフもかなり好演だったと思います。
砂の底なし沼に落ちたジョーンズ博士を助けようと例のアレを差し出すところなんか、もう大爆笑してしまいました。
2008/06/16(Mon) 18:08 | URL | りす姐 | 【編集
(・∀・)スパルコ!!
コメントありがとうございます!!

りす姐さんがおっしゃる意見に同意です。オックスリーと裏切り者のマックは途中で退場しても良かったように思えます。SFネタはジョージ・ルーカスが最初から推したということをよく聞きますが…最後は明らかに円盤が出現しましたしね(笑)

ケイト・ブランシェットは面白い役でしたね。強烈に攻撃する反面、インディの謎解きに目を輝かせたり、軍隊アリに驚いたり可愛かったです。

シャイア・ラブーフはやはり巧いですね。スピルバーグが気に入る理由がよく分かりました。
2008/06/16(Mon) 19:43 | URL | >りす姐さんへ | 【編集
はじめまして
ミクシィの足跡からきました。
映画の感想納得です。

最初のシーンで最後を暗示するとは・・

面白かったです。脱出時のシーンはまるでインディではないSFのようでした。賛否は分かれるかもしれませんが、家族で楽しめるとても良い映画でしたね。
2008/06/16(Mon) 23:33 | URL | マイア | 【編集
ラストは意外な。
こんばんは!!
コメントありがとうございます。

インディに宇宙人(らしきもの)が出てくるのでは??という憶測は随分前から言われていました。

序盤のロズウェルとエリア51登場でこれは…と思ったのですが、ラストで堂々と出現してしまいましたね。意外な描写ですが、開き直って観えて、逆に可笑しかったです。
2008/06/17(Tue) 00:12 | URL | >マイアさんへ | 【編集
昨日見に行ってきました!
お久しぶりです!

昨日見に行ってきました
劇場入るまでにこんなにドキドキしたの何年ぶりだろ...(笑)

見事にいろんなサイトで賛否両論に分かれてしまいましたねw
僕は大好きでしたけど
ただちょっと今までのシリーズと比べると地味ですね
一番面白かったシーンを挙げてみろといわれるとパッと浮かびません...
傑作とまではいかずに大満足ってところでしょうか

今回ルーカスは50年代に作られたB級SF映画にオマージュを捧げたとのことだそうで
もっともハリソンはあまり賛成ではなかったそうですが...
まあ、スピルバーグも新しい世代に受け入れられるために作ったと言っているので
宇宙人の登場は必然だったのではないでしょうか

なんにせよ本年度の上半期映画では断トツNO.1の出来だと思いました^^
2008/06/22(Sun) 12:06 | URL | Taiyaki | 【編集
お久しぶりです!!
こんばんは!!お久しぶりです。
「インディ・ジョーンズ」観に行ったんですね^^

ネットでは見事に賛否分かれてますね。インディシリーズからは、アクションにしてもユーモアにしても、"品"のようなものを感じられたのですが、今回はそれが軽かった気がしました。


>今回ルーカスは50年代に作られたB級SF映画にオマージュを捧げたとのことだそうで

SF要素を推進したのは、ルーカスのようですね。ハリソン・フォードが止めなければもっと、SF寄りになっていたでしょうね。


>まあ、スピルバーグも新しい世代に受け入れられるために作ったと言っているので

確かにあの物語で最後にUFOが出ないと、物足りない気もしますね。それと、13体のスカルは壮観でしたね。

知識を与えると言ったのに、異次元に飛ばされるという理不尽さ(笑)スパルコが可哀想でした。
2008/06/22(Sun) 18:50 | URL | >Taiyakiさんへ | 【編集
こんにちは。mixi足跡からです。
とにかく懐かしいの一言に尽きる映画でした。
僕は今23歳なのでインディシリーズはTVロードショーで見た世代なんですが、大好きです。

TVドラマの「ロズウェル」が大好きでロズウェル事件を知っていたので、序盤に「宇宙人の話だな」と分かったんですが、まさか最後にUFOが飛ぶとは!と思ってしまいました。(笑)

十分楽しめましたけど、そこまで足を踏み込んで欲しくなかったというのが本音です。(笑)
あと、過去の作品と比較したら、見せ場が少なかったような気がします。
2008/11/07(Fri) 15:23 | URL | tk4 | 【編集
飛びましたよね^^
こんばんは!!
コメントありがとうございます。

UFO描写の賛否は公開直後から議論の中心になっていましたね。これまでのシリーズから考えると飛躍しすぎていますが、スピルバーグ監督らしい展開と言えばそういう気もします。

レンタルも開始されたので再見しようと思っています^^
2008/11/07(Fri) 17:42 | URL | >tk4さんへ | 【編集
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