松山ケンイチは役柄のイメージが固定しないよう、どんな役でも演じることから"カメレオン俳優"と呼ばれていた。そして「デトロイト・メタル・シティ」ほど彼のカメレオンぶりが活かされるストーリーも他にないだろう。
ポップミュージックを好み田舎から上京した根岸崇一と、メタルバンドのボーカル&ギターとして激しいライブパフォーマンスを見せるヨハネ・クラウザーII世の2面性。素朴と過激、その往復と落差こそが今作の最大の魅力であり、松山ケンイチはその旨味を存分に見せつけていた。1つの作品で2つ分、演じるということは彼自身も役者冥利に尽きるだろう。
また松山ケンイチ以外の俳優陣も相当にはまり役だった。デスレコーズの極悪社長を松雪泰子、DMC熱狂的信者を大倉孝二、主人公の母親を宮崎美子が好演し、作品の色と見事に同化していた。少ない登場機会だったが、ドラムでおたくの秋山竜次がそれほど目立ってないことが逆に面白い。やる気の無い様子や無表情でドラムを叩くシーンが可笑しかった。
*****以下、ネタばれ注意*****
冒頭からテンポよく様々なエピソードが連なり、ほどよく見せ場が配置されていて飽きない。タバコを投げつける仕草や誤って首を吊ってしまうクラウザーII世など爆笑シーンが多く、個人的にはキャラクターショーのシークエンスがツボだった。コメディ映画は笑いが続き過ぎると間延びするが、ポップやメタル音楽が挿入されているせいか、テンションが持続されるのも心地良い。最近、アメリカの映画で試された演出だが、劇中でカラオケのテロップが入るバージョンが公開されても面白そう。デスメタルで映画館が一体になるのも一興ではないだろうか。
主人公、根岸崇一の実家が大分県の犬飼町という設定に驚く。大分出身の自分でも犬飼町には行ったことがなかったのだが、ほのぼのとした風景にノスタルジーを感じてしまった。田舎からわずか数シーンでライブ会場に画面が切り替わる。その瞬時のギアチェンジこそがDMCの快感の源泉なのだ。
■関連作品■
人のセックスを笑うな ★★デスノート/前編 ★★★デスノート/the Last name ★★フラガール ★★★
映画館でこんなに笑ったのは久しぶりです^^
原作をいい感じに脚色できててよかったです。
こういうのを良い脚本というんですね。
原作とは違った味のある、良い映画です。
個人的に本作の最大の目玉であるはずの音楽がだめだと思いました。
そこまでデスメタルのことは詳しいわけじゃないんですけど、
「恨みはらさでおくべきか」
の時にエレクトーンが使われていたことにがっかりです。
「SATUGAI」も映画が公開される前からYOUTUB等にファンが作ったものが合ったのですが、
そちらのほうがクォリティが高かったと思います。
まぁ、この手の映画にそんなことを言っても無駄でしょうけど(´・ω・`)