ウォンテッド [Blu-ray]ウォンテッド [Blu-ray]
(2012/04/13)
ジェームズ・マカヴォイ、アンジェリーナ・ジョリー 他

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物語のアクションではなく、アクションのための物語


 "銃弾の弾道を曲げる"という演出は、2003年公開「リベリオン」のガン=カタ以来の衝撃であった。拳銃を構えテニスラケットのようにスイングしながら発砲すると、銃弾の弾道が曲がるのだ。「マトリックス」での銃弾の軌道をCGで表現する画に、湾曲の動きを加えた大変ユニークなアクションである。「ウォンテッド」という作品自体グラフィックノベルが原作であり、そのせいもあってか突っ込み所が満載の内容であった。




*****以下、ネタばれ注意*****




 最大の突っ込み箇所は「1を倒して1000を救う」と謳いながら、電車のシーンでは次々と一般市民を巻き込んでおり、1000を救う前に1000を殺していそうな勢いだなと感じたこと。また、冒頭のビルのガラスを突き破って水平に飛んだ男の力はなんだったのだろうか??銃弾を曲げるよりも急加速で空を飛ぶスキルを磨いた方が最強に近い気もするのだがよく分からない??ハエの羽を撃ち落したり、紡績機を使った修行だったり、B級と思える要素は多い。細かな部分は突っ込まずに笑い飛ばせなければ今作は楽しめないだろう。

 本作はR-15指定だったが、その規制線通り血しぶきやバイオレンス描写が予想以上に激しいもの。予告編に観れるスタイリッシュなアクションに加え、生々しい血みどろの戦いや、ネズミ爆弾など際どいシーンがあるため、この辺りの好みも人によって分かれそうだ。

 以上のような描写はロシア人監督ティムール・ベクマンベトフによるものである。ロシア版マトリックスと言われた「ナイトウォッチ」「デイ・ウォッチ」が評価をうけ、今作で初のハリウッド進出となったのだが、おそらく彼は瞬間的な画を撮るのに長けているのだろう。スローモーションやCGを駆使しインパクトのある場面がいくつかあるのだが、そのことが先行し過ぎて前後の物語に無理が生じている。物語にあるアクションではなく、アクションのための物語となっている印象だ。そのため電車を使用する必然性の無さや唐突な場面転換などの粗が目立ってしまう。アクションに対する情熱は強いため、なんとも惜しい出来である。


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