パラノイドパーク ★★★

パラノイドパークパラノイドパーク
(2008/09/26)
ゲイブ・ネヴァンステイラー・モンセン

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 「パラノイドパーク」とはスケーターのたまり場の通称のことで、劇中では"自力で違法なパークを造った"との説明もでてくる。主人公のアレックスはそのパークに魅せられ何度か足を運ぶことになるのだが、そこで見るスケーター達の映像が特に印象に残るものであった。自然の風景や街並み、青空を早回しで見せる演出はガス・ヴァン・サントならではのものだが、縦横無尽に走るスケーターを背面から捉えるショットは、今回撮影に参加しているクリストファー・ドイルの影響によるものだろう。




*****以下、ネタばれ注意*****




 ふとした誤りで人を殺してしまったアレックス。時間軸を入れ替えた構成ではあるが、その出来事以降、スケーターの走る姿がどこか悲しいものに見えてくる。出口の塞がれた太いパイプのなかを左右に滑り、狭い空間を何度も往復する様子は、主人公の揺れる心境そのものだ。

 スローモーションで描くガス・ヴァン・サントの世界は美し過ぎるがために、少年の中にある世界、迷いや若者独特の感覚、それらをより際立たせている。アレックスのその後も気にはなるが、それぞれの瞬間の表情、言動や行間を読み取ることが必要とされる物語だ。主人公の何処か冷めた感情は、アメリカの貧困層ではなくミドルアッパーのティーンエイジャーに見られるものなのだろうか。髪型も似ているのだが、今作を観ると「ストーリーテリング」や「リトル・ミス・サンシャイン」のそれぞれの若者の姿を思い起こさせる。

 「エレファント」に続き10代の若者を題材にしたガス・ヴァン・サント監督だが、今作を含めてキャスティングの上手さには毎度、舌を巻いてしまう。
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2 Comments

こん  

パラノイド・パーク

ガス・ヴァン・サント監督の作品はとても彼の色が出てますよね。『エレファント』や『ラストデイズ』もとても独特に感じました。

特に10代の若者の心情の捉え方というか、描写の仕方はとても絶妙やと思います。語りすぎず、観ている人に自身の記憶を呼び覚ませるような描き方。観ていて「どんなんやったっけ」って自分の10代のころを思い出したりしました。

今回も主人公のその後については描かれてませんが、彼の作品を観ていると、「すべてのストーリーに答えを提示すべきか否か」ということを考えてしまいますね。こういう、観ている人の想像力を喚起し解釈を委ねる映画も、僕はありやなぁと思いました。

2008/10/18 (Sat) 23:42 | REPLY |   

>こんさんへ  

独特の浮遊感。

こんばんは!!
コメントありがとうございます。

ガス・ヴァン・サント監督の世界は、本当に独特で繊細ですよね。若者の描き方も上手いと思います。「パラノイドパーク」では彼女と別れ話をしているシーンが好きでした。

>観ている人の想像力を喚起し解釈を委ねる映画も、僕はありやなぁと思いました。

同感です。今作を観ていたら突然エンドロールに移ったので驚きましたが、それが余韻を生んでいますよね。

2008/10/19 (Sun) 01:00 | EDIT | REPLY |   

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