譜めくりの女 ★★★★

譜めくりの女 デラックス版 [DVD]譜めくりの女 デラックス版 [DVD]
(2008/10/24)
カトリーヌ・フロ、デボラ・フランソワ 他

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 じわりじわりと追い詰める、まどろこしい復讐劇。


 「ゆりかごを揺らす手」は怖い映画だったな、とふと思い出すことがある。ある女性に復讐するため、ベビーシッターとなりその家族に近づき、じわじわと内側からその女性を追い詰めていくという内容だった。その流れと同様に、「譜めくりの女」はピアノ演奏者のサポート役として、とある女性に近づき、幼少期の苦い体験の仕返しを行うというものだ。

 「ゆりかごを揺らす手」はハリウッド映画だけに、ビジュアル的にも派手な復讐劇へエスカレートするのだが、今作はフランス映画であること、そして芸術家に復讐するだけあって、最後まで地味な展開に落ち着いている。




*****以下、ネタばれ注意*****




 意外なのは、その復讐方法である。譜めくりだけに、大事な演奏会で譜をめくらない、もしくは譜面に何らかの細工をするのだろうという予想。そして肉屋の娘であり、肉を捌く行為に長けているためナイフ等で傷つけるのだろうと予想していた。しかし実際には、カトリーヌ・フロに愛されて立ち去る、息子の腕の筋を痛めつけるという行為に終わる。何十年も想いをかけた割にあっさりだが、その地味さ加減も人間臭くて面白い。交通事故の件も何かあると思わせておいて、綺麗にスルー。散々引っぱってこれかよ、と突っ込みたくなるがその気持ち悪さが、逆に余韻を残した。

 そのような地味な展開でも最後まで興味深く鑑賞できるのは、俳優陣のお陰である。怖い女・メラニーをジュリー・リシャレ(幼少期)、デボラ・フランソワが好演。またピアノ初心者ながら、今作のためにレッスンを重ね、劇中は実際に演奏をしている!!!!カトリーヌ・フロも素晴らしい。若い女性が好きな男性はデボラ・フランソワに見入り、年上が好きな男性がカトリーヌ・フロに見入るほど、両者の動きに惚れぼれしてしまう。

 映画らしい場面といえば、メラニーにわいせつな働きかけをして、チェロのピンで足を刺されたローランだ。爽快なシーンだが、やられた本人でさえ理由を言えない物悲しさ…メラニー・プルヴォスト恐るべし。


ある子供ある子供
(2006/06/23)
ジェレミー・レニエデボラ・ブランソワ

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