歪んだエンロン~虚栄の崩壊~歪んだエンロン~虚栄の崩壊~
(2004/06/25)
クリスチャン・ケイン.シャノン・エリザベス.マイク・ファーレル

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 エンロン問題は以前、ドキュメンタリー映画を観ており、ある程度の知識を得ていた。向こうが悪玉である、ケネス・レイなどに焦点を当てた内容だったことに対し、今作は一新入社員の目線から問題を取り上げたヒューマンドラマに仕上がっている。元社員の内部告発本がベースとなっているため、物語の信憑性は高いと捉えていいだろう。信じられないボーナスの額や一定の周期で行われる派手なパーティー、結婚を目前にした主人公が不幸になっていく過程など、映画にしては平凡に思えるストーリーも真実であるが故に見入ってしまう。

 時折見せる軽快なジョークもウィットに富んでおり、エンロンに全てを捧げていた社員の1人が、解雇された後にワールドコムに入社するというブラックなネタは最高に面白い。またシーンの合間には、出来事の実際の日付とその日の株価が表示されており、刻々と下落していく株価の推移が見て取れる。エンロンの先行きを不安視した上層部が株を売るなか、歪曲された数字に熱狂し自社株を買い続ける社員の姿は涙ぐましいものだ。

 残念なのは台詞が説明的になりすぎているということ。ドラマ仕立てなのだから自然な会話や演出のなかで、エンロンの不正や腐敗した仕組みを知らせてほしかった。もっとも、エンロン問題は真実こそに驚くべき内容が詰まっており、今作の主人公のエピソードなどはまだ軽い出来事のように思う。それ以上に人生を狂わされた人はもっと存在するだろう。先物や実態のない数字に支配されている現在の市場原理主義、この世界で振り回されている我々もエンロンと同様に、既に喜劇の一員なのかもしれない。


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元エンロン社員:ケン・レイ(元CEO) ジェフ・スキリング(元CEO) アンディ・ファストウ(元CFO)

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テーマ:映画感想
ジャンル:映画
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