模倣犯 ★★

模倣犯模倣犯
(2002/12/21)
中居正広藤井隆

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 宮部みゆきの原作が「模倣犯」なら、映画版は「モホウハン」とカタカナ表記の方がしっくりくる。冒頭からサスペンスの雰囲気に似つかないテクノが流れ、スタイリッシュに見せたいのか曲の合間に「モホウハン」などデジタルボイスを入れてみたり、以下、奇抜な演出が続いていく。




*****以下、ネタばれ注意*****




 映画版「模倣犯」の特徴は、山崎努以外の登場人物から、あまり生気を感じられないということだ。ピースを演じた中居正広をはじめ、エキストラに至るまで現実的ではない微妙にズレたリアクションをしており、これが歯痒くて気持ち悪い。また森田芳光監督の前回作品「黒い家」と同様に、食べ物を口に運ぶ演出をなにかしら強調しており、クチャクチャと音をたてる様子が気持ち悪い。ふわふわした台詞運びや血の気のない登場人物により、既存にはないサスペンスを生み出しているものの、その辺りが賛否を分ける結果となった。


模倣犯〈上〉模倣犯〈上〉
(2001/03)
宮部 みゆき

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 必見はラストの頭、爆発シーンだろう。首から上だけが垂直に飛び、宙に浮いた状態で空中爆発。その灰が周囲の人々に降り注ぐという前代未聞のシーンに絶句してしまった。奇抜な演出もそれまではなんとか我慢できたが、そこで一気に破綻した気分になる。何万本ともいわれる映画群のなかでもこのような演出はないだろう。唯一無二のショットだ。

 悪評ばかり書いたが、実はその気持ち悪さが尾を引き、良くも悪くも「模倣犯」という作品は強く記憶に残るものとなった。棒読みと思えた中居正広のピースも、じっと凝視しているうちに味がでてくる。感情を表にださない人格、目の下の涙袋を存分に見せ、不敵な笑みをうかべる表情が良い。奇妙な映画で落ち着かないが、計り知れないポテンシャルを秘めている気もする。


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