☆ 2008年中に観た映画ベスト3 ☆

 2008という数字の並びを見たときに、真っ先に連想するのは「ダークナイト」だ。そのくらい2008年は「ダークナイト」に支配された1年だったと思う。そんな今年を振り返って、2008年中に初めて観た作品のなかから、特に気に入ったベスト3を紹介します。


2008年初めて観た映画でのベスト3

1位 ダークナイト ★★★★★
2位 百万円と苦虫女 ★★★★
3位 落下の王国 ★★★★



ダークナイト BATPODプレミアムBOX(2枚組) (初回限定生産)ダークナイト BATPODプレミアムBOX(2枚組) (初回限定生産)
(2008/12/10)
クリスチャン・ベールマイケル・ケイン

映画の詳細を見る



 1位の「ダークナイト」は今年、初鑑賞の映画で唯一の★5の作品。全米ではオープニング記録、歴代興行収入第2位など爆発的なヒットを記録。自分も4回劇場に足を運ぶほど作品の面白さと奥深さにはまってしまった。特にラストのナレーションや、それに併せたカットバックは素晴らしい映画を締め括る、最高の演出である。以下、その台詞を抜粋しました。


Because he's the hero Gotham deserves, but not the one it needs right now.
So we'll hunt him.
Because he can take it.
Because he's not a hero.
He's a silent guardian.
A watchful protector.
A DARK KNIGHT

彼はゴッサムにとって必要な人だ だけど今は"時"が違う
だから追う
だが彼は強い
彼はヒーローじゃない
沈黙の守護者
我々を見守る監視者
暗黒の騎士(ダークナイト)だ




*****以下、ダークナイトに関するネタばれ注意*****




 不覚にも感動してしまったラストシーン。バットマンの例えも「silent guardian」「watchful protector」「DARK KNIGHT」と、どれもかっこいいものばかりだ。

 人々は何故、「ダークナイト」に熱狂したのか??思えば2008年は世界的な金融危機に振り回された1年でもあった。この金融危機の根幹にあるのは「虚を愛する」という現代人特有の心理が働いているのではないだろうか。

 わずかな所得ながら、プール付一戸建ての家をローンで購入できるシステム。その後、利息が一気に跳ね上がり返済できず、そのシステム自体が破綻。実価格が何セントにも満たない石油がWTIの中間介入により何倍にも跳ね上がる異常事態。目先の利益に狂乱し、その後の乱高下で一気に熱を冷まし騒ぎ出す。これが2008年の世界の動きだ。「ダークナイト」内でも同じような動きがあった。

 バットマンの登場によりゴッサムシティは平和を取り戻すが、ジョーカーの介入が逆にバットマンの存在を嫌悪へと移行させる。甘美な希望は少しの綻びで一気に絶望へと移り変わるのだ。ハービー・デントはその現実に落胆し、光の騎士から一気に悪へと墜ちる。バットマンはゴッサムの市民のために、ハービー・デントの罪を被り、虚の希望を与える。バットマンの希望でもあったレイチェルからの気持ちも、アルフレッドによって葬られる。つまり今作の人物のほとんどは偽りの希望により、行動や理性が保たれていることになる。


ダークナイト BATPODプレミアムBOX(2枚組)<初回限定生産>ダークナイト BATPODプレミアムBOX(2枚組)<初回限定生産>
(2008/12/10)
クリスチャン・ベールマイケル・ケイン

映画の詳細を見る



 現代社会とゴッサム市民の翻弄ぶり、これは偶然の一致なのだろうか。アメコミヒーローながら高い評価を得ている今作だが、その根底には「虚を愛する」現代人の深層心理が上手に刷り込まれているように思える。だからこそ、自分の考えを一寸も変えなかったジョーカーが、悪役ながら魅力的に栄えるのだ。大金の上から滑り降り、その金を躊躇なく燃やす、現代人の心理を逆手にとったかのような一連のシーンが非常に印象的である。

 以上のように、極上のエンターテイメントとして楽しむも良し、現在社会とトレースしながらスクリーンを眺めるも良し、2008年に舞い降りた「ダークナイト」という、とんでもないモンスター映画に出会えたことは素直に喜ばしいことだ。


百万円と苦虫女百万円と苦虫女
(2009/01/30)
蒼井優森山未來

映画の詳細を見る



 2位の「百万円と苦虫女」は主人公の鈴子と自分が重なって見え、記憶に残った映画である。福岡のわりと都会の方と、大分のわりと田舎の方に居住したことのある自分にとっては、劇中の地域の描き方やそれらに振り回される鈴子が面白かったのだ。

 情には厚い田舎の人は優しいながらも、偏った価値観によって逆に相手を傷つけてしまったり、淡白に思える都会の人の方が実は懐が広かったりと…現在のリアルな地域間ギャップの塩梅が上手い。100万円貯まったら引越しをして新しい場所で暮らす鈴子。人から傷つけられるのを恐れ、そのせいで相手の気持ちの深い部分まで干渉しない、当たり障りのない生き方は正に現代の若者の姿であり、自分にとっても耳が痛い描写の連続だった。今作の続編が観たいな、と渇望するほど佐藤鈴子というキャラクター、作品の空気全体が魅力にあふれていた。


ザ・フォール/落下の王国 (Blu-ray)ザ・フォール/落下の王国 (Blu-ray)
(2009/02/11)
リー・ペイスカティンカ・アンタルー

映画の詳細を見る



 3位「落下の王国」は邦題"落下の王国"という文字の並びや言葉の響きが好きだった。映像美が注目される作品ながらオープニングとエピローグに流れたモノクロ映像こそ、物語のバランスを熟慮した素晴らしいシーンだと思う。DVDかブルーレイでのリリースが待ち遠しいが、大きなスクリーンで堪能して欲しい映画だ。この世界に、あのような景観が存在していることが未だに信じられない。絶景の連続である。


☆2008年その他のお勧め映画
・ノーカントリー ★★★★
・やわらかい手 ★★★
・ファーストフード・ネイション ★★★
・譜めくりの女 ★★★★


☆2008年トホホ映画
・恋空 ★
・スポーツキル ★
・ハンコック ★
・X-ファイル/真実を求めて ★


☆2009年 期待の映画
・映画版「カイジ」
・スラムドッグ・ミリオネア
・パブリック・エネミーズ
・ライチャス・キル
・バーン・アフター・リーディング
・アバター
・007/慰めの報酬
・トランスフォーマー/リベンジ
・ターミネーター4

 上記のなかでも「劇場版カイジ」は原作の漫画大好きなだけに、期待と不安が入り交じる。男だらけの世界ながら天海祐希の存在がカイジの世界にどのような色をつけるのか、また利根川幸雄を演じる香川照之の演技も楽しみである。また、現在最も期待しているのが「スラムドッグ・ミリオネア」。2009年も映画が楽しみである。


■関連■
☆ 2007年中に観た映画ベスト3 ☆
ダークナイトに続編があるとしたら…??
賭博黙示録カイジの映画化!?
スポンサーサイト

0 Comments

Post a comment

Designed by Akira.

Copyright © 映画ノスタルジア ~映画館・DVDで観たおすすめ作品の感想・評論~ All Rights Reserved.