ファニーゲーム ★★★

ファニーゲーム [DVD]ファニーゲーム [DVD]
(2009/06/26)
スザンヌ・ローター、ウルリヒ・ミューエ 他

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 嫌悪の固まりのような作品だが、その嫌悪を求めて再度鑑賞したくなる。悪意に満ちた演出も、ある種のエンターテイメントであり、それでこそ映画だと思う。

 映画史最高の後味の悪さとのことで名高い「ファニーゲーム」。「セブンス・コンチネント」をはじめ「ベニーズ・ビデオ」等、ショッキングなシーンを与えると同時に、現代人のマイノリティから湧き出る問題点を鋭く描くのがミヒャエル・ハネケ監督だ。今作もそのような問いかけはありそうだが、救いのない展開はメッセージ性を飛び越えて失笑してしまう。恐怖やタブーを簡単に超えてしまう感覚は正にファニーである。




*****以下、ネタばれ注意*****




 最もインパクトのあるシーンは、子供が銃殺されるという映画界のタブーを侵した場面ではないだろうか。長回しで見せる衝撃の1ショット。やつれた姿、無言・無表情の母親と大声で悲鳴をあげる父親、横たわる子供の死体、地獄絵図である。なによりも犯人の2人組が変に親切であったり、会話が噛み合わなかったり、罪悪感が皆無という点で終始イライラしてしまう。何を考えているのか理解に苦しむ2人組であるがために、いつ爆発するのか読めず、家族と犯人のやりとりは緊張感にあふれていた。

 このような物語を紡いでハネケ監督は何を訴えかけたかったのか??犯人が時間を気にしたり、リモコンで時間を巻き戻したことに象徴されるように、観客の期待(映画の文法を含めた)や現在社会の行く末など、予測不能の事態が起きうるという警告のようにも思える。犯人が画面=観客に向け問いかけるが、「ファニーゲーム」とは観客をも巻き込んだミヒャエル・ハネケ監督からの挑戦ではないだろうか。


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セブンス・コンチネント ★★★★★
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