ある子供 ★★★

ある子供 [DVD]ある子供 [DVD]
(2006/06/23)
ジェレミー・レニエデボラ・ブランソワ

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 "映画とは誰かの人生の一部である" 「ある子供」を観終えてそんな言葉を思い浮かべた。20歳のブリュノと18歳のソニアの若いカップル、そして産まれたばかりの子供。ブリュノは軽い思い立ちから子供を売ってしまうが、その行動がブリュノを徐々に追い詰めていくことになる。人生は選択の連続であり、男の行動と選択により、その次の事柄に転じていくシンプルな物語。大袈裟な映画手法を排しているせいか、劇中の人物が自然に立ち振る舞っているように観えるのが印象的だ。




*****以下、ネタばれ注意*****




 驚いたのは子供を売るシーンである。2つの部屋を使い、互いの顔を見せ合うことなくお金と子供を交換する演出がなんともリアルに思え、実際にあった事象を取り入れたのかな、などと勘ぐってしまった。携帯電話でのやりとりを経て、数時間後には子供とお金が入れ替わること自体、ショックなことである。

 映画を最後まで観終えると"ある子供"という題名の本当の意味が見えてくる。何故、ブルーノは簡単に子供を売ってしまったのか。彼の母親との会話のシーンで見て取れるように、家庭環境や母親からの愛情の欠如が、ブルーノの今日の人格に結びついたのは間違いないだろう。20歳との設定だが、水辺を棒で掻き混ぜたり、泥のついた靴で壁を蹴ったり、細かな描写がブルーノの子供っぽさを積み上げており、その辺りの演出は非常に巧い。

 「ある子供」は沢山の教訓を謳っており、さながら現在の寓話のような存在に思えた。


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