ポップでコミカルな音楽、濃淡の違いをはっきりとだした照明、1950年代を丁寧に再現した街並み・車・衣装・小道具など、前評通り雰囲気は正に昔のテレビドラマのよう。
テンポがよく軽い気分で観賞していたら途中からやや重い方向へ…この辺りの問題提起、演出、当時の時代背景と照らし合わせてうまいなと思った。それに相乗するように本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされたシュリアン・ムーアの演技がとりわけ素晴らしい。悲劇のヒロインとはまさにこの役ことで、皆が羨むほどの美貌なのに妙に馬鹿正直なところというか素直過ぎる部分、それでいて感情は周りの人には知られないよう抑えておく、観ている方は途中彼女にイライラしつつも最後には共感してしまうだろう。
社会や街並みなど全てが美しく見えた時代、しかしそれは表面に多い尽くされた部分だけであった。様々な弊害を取り除いて、本質だけを素直に感じることが出来る本当の楽園に辿り着いたのか、1950年代という設定を通じて現代社会に問いかけているようである。
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