チェ 28歳の革命 [DVD]チェ 28歳の革命 [DVD]
(2009/12/11)
ベニチオ・デル・トロ

映画の詳細を見る



 海外サッカーの中継を観戦中、スタンドにカメラが向けられると、チェ・ゲバラの顔がプリントされた大きなフラッグをたびたび目撃する。同様にT-シャツやステッカーにもプリントされていることが多く、勝利や正義のシンボル・アイコンとして今日、世界中の人々に認知されているチェ・ゲバラ。

 革命家という印象が強いのだが、実際に彼がどのような人物で何をしたのかはほとんど知らなかった。そのこともあり、20世紀最大のカリスマと形容される、彼の伝記が映画化されることは(「モーターサイクル・ダイアリーズ」以降の)素直に勉強になると思えたのだ。




*****以下、ネタばれ注意*****




 鑑賞して感じたのは、非常に冷静な作品であるということだ。大袈裟なドラマ仕立てや感情を露わにして、観客を扇情することもない。実際に起きた出来事を淡々とこなしているだけである。時系列の入れ替えと時間軸によってモノクロやコントラストを変化させる演出。そして前半部分に多かった短いカット割の編集は、「アウト・オブ・サイト」や「トラフィック」を経由したスティーブン・ソダーバーグ監督らしい切り口だ。


モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]
(2005/05/27)
ガエル・ガルシア・ベルナルロドリゴ・デ・ラ・セルナ

映画の詳細を見る



 そのような淡白な進行のなかでも、チェ・ゲバラの人間性が見れる箇所がいくつかあった。なかでも農民から入隊した新兵に対し、文字の読み書きを徹底させた場面が印象深い。単に武力だけでなく、人格を形成する上での知力・教育の必要性を説くその背中に、人としての温かさや愛情の深さを感じてしまう。

 今作の公開によりチェ・ゲバラが再び注目され始めている。武力闘争による行動の是非はあるが、それよりも彼の生き方を学ばなければならない。祖国や身分を捨ててまで、自らの信念を貫くそのしたたかな姿に、時折見せる柔らかい笑みに、世界中の人々が心を打たれているのだろう。自分の想いを貫き、生きて行くことが困難な時流だからこそ、彼の存在がより一層大きなものに見えるのだ。

 「28歳の革命」ではキューバ革命の成功を。「39歳 別れの手紙」ではボリビアでの革命の失敗を描く。今作でジャングルでのゲリラ戦の多さに驚いたが、次作では更に激しいゲリラ戦になるとのことだ。情熱に生きた彼の最期はどのような流れで起きるのか。ベニチオ・デル・トロの好演を含め、「39歳 別れの手紙」も鑑賞したい。


■関連作品■
チェ/39歳 別れの手紙 ★★★
オーシャンズ13 ★★★
フィクサー ★★★
21グラム ★★★★
エデンより彼方に ★★★
スポンサーサイト
テーマ:映画感想
ジャンル:映画
コメント
こんばんは。
いつも拝見してます。

今日観ました。今までバンドTシャツに顔がよく描いてあるなぁ~くらいしか知らなかったのですが、この映画を観て何か本を読んでみようかなと思いました。ベニチオ・デル・トロが演じているのもとても印象的でしたが、やはりゲバラ自身が何か人を惹きつけるものを持っていると思います。


武力行使という方法は賛否両論あると思いますが、それでも彼から学ぶことはたくさんあるな~と感じましたね。好戦的なイメージを持ってましたが、かなり知的な人なんですね。新人兵に教育する場面でもそうですし、ゲバラの今まで知らなかった面を知ることができて良い映画やと思いました。


次回作も楽しみです。
2009/01/12(Mon) 23:54 | URL | こん | 【編集
予備知識があったほうが。
コメントありがとうございます!!

非常に淡々と進行する映画で、チェ・ゲバラに関する知識がなかったら、取り残されるだろうななどと思いながら鑑賞していました。

元々はボリビアでの革命の失敗を描く映画の企画だったみたいですから、そういう意味では次作「39歳別れの手紙」が本編になるとも言えます。どのような見せ方をするのか、次作も楽しみです。

関連の本は知らないのですが、関連映画なら「モーターサイクル・ダイアリーズ」が有名です。今作より、もっと人間性やドラマに焦点を当てているので、物語としても素直に面白いものでした。時間があれば是非、鑑賞をおすすめします。
2009/01/13(Tue) 07:06 | URL | >こんさんへ | 【編集
こんにちわ。
足跡から来ました。

ベニチオ・デル・トロは、
演技もなりきりも両方とも上手いです。
次作も楽しみですね。
2009/01/13(Tue) 16:46 | URL | ロビー | 【編集
ベニチオ・デル・トロ!!
こんばんは!!コメントありがとうございます。

ベニチオ・デル・トロはなりきっていて、好演でしたね。今作の彼のゲリラ戦の様子を観ていると「ハンテッド」という映画を思い出しました。その作品でもゲリラの描写があったので懐かしくなりました。

「39歳別れの手紙」にも期待したいですね^^
2009/01/14(Wed) 00:11 | URL | >ロビーさんへ | 【編集
アモーレ
こんにちわ
足跡からきました。

私も読み書きにこだわっていた点はとても興味深く思いました。

そして、もう一つ印象に残った言葉は
革命に必要なものは?
の問に対し
愛(アモーレ)
と答えていたことでした。

深いです。
2009/01/14(Wed) 21:55 | URL | にこちゃん | 【編集
言ってましたね。
こんばんは。
コメントありがとうございます^^

革命家にとって1番必要なもの(資質)の問いに「愛」って言ってましたね。彼が言うと、なんとなく納得してしまいますね。白黒の映像の質感がリアルで当時の資料映像かと、見間違えたほどでした。
2009/01/14(Wed) 22:47 | URL | >にこちゃんさんへ | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック