8 Mile [Blu-ray]8 Mile [Blu-ray]
(2009/09/18)
エヴァン・ジョーンズオマー・ベンソン・ミラー

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 ヒップホップという音楽はあまり好きではなかったし、エミネムに対しても全くと言っていいほど無知だった。音楽関連の映画、サクセスストーリーで本人が出演する作品は、煌びやかでヒット曲が随所に流れたりと碌なものがない。ところが「8 Mile」はヒップホップという音、そしてその周りの社会を真面目に描いた意欲作であった。

 ヒップホップのそれまでのイメージから、陽気さ・明るさ・自由さ、といった光景を連想していたのだが劇中の画はとにかく暗い。「L.A.コンフィデンシャル」で1950年代のロスを見事に再現したカーティス・ハンソン監督だけあり、今作でも1995年のデトロイトの南側、犯罪が多発する貧民街を重厚にフィルムに納めている。これらは若者の悩みやヒップホップのルーツ、アフリカ系アメリカ人文化を描くためには必要不可欠であり、音のみならず映像面も丁寧に扱ったことが映画の成功に起因したようだ。

 また、サクセスストーリーでありながらマネージメントとしての大成功までを描いたのではなく、「シェルター」でのラップ・バトルで勝ったシーンで物語を閉めたのも、スターになる段階のステップアップの難しさを感じられ好感がもてる。一見すると適当な言葉の羅列のように思えたヒップホップだが、韻を踏んだり状況に応じて言葉を紡ぎだしたりと、瞬間の閃きが重要になるようだ。エミネムが小さな紙切れに、小さな文字で言葉を投げていたのが印象的だった。

 「8 Mile」が1億ドルの大ヒットを飛ばした、もうひとつの要因にエミネムの存在がある。音楽業界に席を置いている彼なのだが、演技が自然体であり下手な役者より充分に観れるものだった。なにより眼に迫力があり、ラップバトルで見せた声やパフォーマンスにも魅力を感じるのだが、彼が支持される理由に"眼力"があるような気がしてならない。


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バットマン ★★★★

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