☆ 2009年中に観た映画ベスト3 ☆

 2009年は新しい仕事の影響もあってか、なかなか映画を観る時間が作れなかった。それにも増して、例年に比べるとあまり面白い映画に出会わなかった印象もある。そんな今年を振り返って、2009年中に初めて観た作品のなかから、特に気に入ったベスト3を紹介します。


☆2009年初めて観た映画でのベスト3

1.レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで ★★★★
2.ディア・ドクター ★★★★
3.その土曜日、7時58分 ★★★★


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(2009/06/05)
レオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレット

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 1位の「レボリューショナリー・ロード」はタイタニックのコンビ、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットの2人が脱タイタニックを計った画期的で意欲に満ちた映画だった。歴代興業収入1位という快挙を成し遂げ、世界中を釘付けにした2人が見せる、おそよ2時間に渡る夫婦喧嘩。辛辣なシーンが覆うなか、特にケイト・ウィンスレットが見せるエイプリル・ウィーラーの立ち振る舞いがとりわけ印象的だ。「タイタニック」を監督したジェームス・キャメロンはインタビューで2人のことをこのように語っていた。

 ディカプリオは感情の緩急が激しく表面的。一方のケイトは与えられた役を一度内面に取り込んで演じているのだと。なるほどと思った。ディカプリオで思い出すのは、喜んだ柔らかい表情か激昂したときの表情くらいである。それに比べケイト・ウィンスレットで思い出すのは物語のちょっとした瞬間に見せる表情だ。他人になりきる、他者を演じるということは日常の感情を引き出すことではないだろうか。エイプリル・ウィーラーの自然でふっと覗かせる影の部分こそが、その人物になりきっている証拠なのだと感じたのだ。そういえば今年公開の「愛を読むひと」でも彼女は素晴らしい演技をしていた(ハンナ・シュミッツ役)同作品でアカデミー賞を獲得し、順調にキャリアを進めるケイト、一方でなかなか演技が認められないディカプリオ。今作からもそれらの理由や違いが発見できるかもしれない。


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(2010/01/08)
笑福亭鶴瓶瑛太

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 2位「ディア・ドクター」を観たときに神奈川県で起きた、とある事件を思い出した。難病の長男の人工呼吸器を止めた母親、そしてその母親はその後、息子を殺害したことを悩み続け、夫に「死にたい」と繰り返す。そして夫は心中するつもりでついに妻を殺害してしまう・・・映画以上に現実の重さを突きつけられる出来事だった。映画のテーマは尊厳死ではないので、その事件とは関連はないのだが、共通して思ったことは人はどのように死を迎えるのか、ということである。医学の最終的な目的は健康、言い換えれば命を延ばすことである。しかし一方でそれが万人の幸せに繋がるのかは疑問だ。機械に囲まれ自分1人で生きていけない状況になったときに、助かる見込みのない病気に直面したときに、初めて「どうやったら長く生きられるか」という考えが「どのように最期を迎えるか」に変わっていくのだと思う。なにがあっても生き続けなければならないというモラル、と自分の置かれた様々な状況を鑑みて気持ちの中に膨らむ本音。その往来を”嘘”を通じて炙り出したのが本作である。それはちょうど劇中でアイスクリームが台所の流しのなかに溶け込んでいくような心模様ではないだろうか。答えのでない螺旋状の道を辿っていくようなものである。西川監督の前作「ゆれる」と比べ少しマイルドな切り口となっているが、本作でも特有の粘着感や闇はあり、鑑賞した後もしばらく内容が頭から離れなかった。

 実はこの映画を観たシネマ5で、同作品のポスター、しかも西川監督の直筆サイン入りが当たるという嬉しすぎる出来事があった。応募して抽選で1名に当たるものだったが、応募する紙を入れる箱が既に他の人の応募用紙で満杯だったのをよく覚えている。絶対に当たらないだろうと思いながら応募したので当たった時の感動は相当なもの。ロト6で同じ数字を10年間買い続けているのに、当たるのはこっちかよ!!と思いつつ(笑)嬉しかったので大切に保管。今後もシネマ5と西河監督を贔屓にしようと思った。


その土曜日、7時58分 [Blu-ray]その土曜日、7時58分 [Blu-ray]
(2009/07/03)
フィリップ・シーモア・ホフマンイーサン・ホーク

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3位の「その土曜日、7時58分」は正統派サスペンスに大好きな俳優陣が集結した映画である。小さな出来事が雪だるま式に悪くなる展開、イーサン・ホーク、フィリップ・シーモアホフマン、マリサ・トメイと燻し銀の俳優が見せる相関関係の顛末に息を呑む。これほど刺激に満ちた作品の監督(シドニー・ルメット)が85歳であるとのことがまた驚きである。冒頭の激しいセックスシーンや中盤での薬物使用シーンが強く記憶に残った。

今年、2010年に公開予定の作品で最も期待しているのが「ザ・ホワイト・リボン」である。「セブンス・コンチネント」「ファニーゲーム」「ピアニスト」「隠された記憶」など数々の問題作を世に送り出したミヒャエル・ハネケ監督の最新作だ。同作品はカンヌ映画祭で最高賞パルムドール受賞をしている。全編モノクロの映像、暴力とショッキングなシーンも当然含まれているだろう。第一次世界大戦前夜のドイツのある村で起きた事件…その行く末をじっくりと堪能したい。


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