マイレージ、マイライフ Blu-rayマイレージ、マイライフ Blu-ray
(2010/08/27)
ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファーミガ 他

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 現代人を描いたエアームービー


 「マイレージ、マイライフ」がアカデミー賞に絡むほどの好評価を得たのは何故なのか。本作には既存の映画とは違う点がいくつかあった。

1.リストラ宣告人という職業
 主人公の仕事はリストラ宣告人。日本では馴染みのない言葉だが、要は会社の社長や人事担当者に代わり、社員に解雇を言い渡すのが仕事である。映画でこの職業を扱うのはおそらく初めてであり、ジェイソン・ライトマン監督曰く、最初はコメディ映画のつもりで脚本を書いていたとのこと。そのうちリーマンショックが起こり、世界同時不況が襲い・・・と笑えない内容になってしまったようだ。劇中でリストラを宣告される人々の中には、実際にリストラを受けた人(素人)も居るため、台詞に重みが感じられる。

2.旅客機を使用したロードームービー
 ロードムービーでの移動手段と言えば、バイク・車・バスなど陸路を使うものであった。本作がロードムービーであるかは疑問だが、リストラを宣告すべく全米を移動しまくるその手段は旅客機だ。移動する度に、上空からの視点で大きく地名がスクリーンに映る演出が目新しい。無機質なビル群や広大な農場地が映るとこちらも旅をしているようで気分が高揚する。ロードムービーならぬエアームービーの誕生ではなかろうか。

3.ライアン・ビンガムというキャラクウター
 男のロマン、欲する物といえば、高級車・豪邸・ブランド小物などだったが、今作の主人公である、ライアン・ブンガム(ジョージ・クルーニー)はそのようなものは一切必要ないものと考える。彼が最も必要としているのはマイルでありクレジットカードであり、空港で優先的に搭乗手続きのできる会員特典の方が重要なのだ。家族をはじめとする前述の要素は重荷であると考え、ポイント集めに奔走する様は、現代人の思考やライフスタイルを端的に示した新しいキャラクターであった。空港で軽やかに搭乗する様はさながらバレーダンサーのようで面白い。




*****以下、ネタばれ注意*****




 上記の目新しさが”現在”を捉え、新鮮味のある共感を運ぶ。また今作では主要キャスト3人、ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファミーガ、アナ・ケンドリックがそれぞれアカデミー賞にノミネートされるという快挙を成し遂げた。個人的には新入社員で現代っ子のアナ・ケンドリックのフレッシュさが印象に残った。スマートな思考ながら彼と別れた際には、突然泣き出すなどキュートな一面、ジョージ・クルーニーとの掛け合いもユニークである。

 一度は気持ちを介した3人が、別々の道を歩み始めるラスト。「マイレージ、マイライフ」では空港が重要な舞台となるが、3人が過ごした時間は一端出会って別のゲートへ行き旅立つ、正に空港の乗り継ぎ時間内での出来事のようでもある。ポスターで3人が目を合わさずにそれぞれが別の方向を向いているのも物語の行く末を暗示しているようだ。ジョージ・クルーニーがしっぺ返しを喰らうというオチは意外だったが、人間関係を築くにはある程度の時間やそれに伴った深い信頼が重要なのだ。


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テーマ:映画感想
ジャンル:映画
コメント
こんにちわ
すごい数ですね

参考になりますv-253

じっくり見せて頂きますねv-238
2010/06/06(Sun) 01:50 | URL | めぐ | 【編集
めぐさんへ
コメントありがとうございます。
なかなか、更新できませんが参考になれば嬉しいです^^
めぐさんのサイトも覗きに行きますね。
2010/06/06(Sun) 18:22 | URL |  | 【編集
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