ボーダー [Blu-ray]ボーダー [Blu-ray]
(2010/09/03)
ロバート・デ・ニーロアル・パチーノ

映画の詳細を見る



映画に漂う気品のようなもの


「遂に実現する映画史上最高の"本物の競演"」 

 本作「ボーダー」のキャッチコピーである。競演とはアル・パチーノとロバート・デ・ニーロのこと。2人は過去に「ゴッドファーザーpartⅡ」「ヒート」で競演済みなのだが、時間軸の違いや僅かなシーンのみの競演であり、冒頭から同じショットに入りまくる今作は正に"本物"と形容して良いだろう。しかし作品を見渡す限り、これまでの2人が培った演技の凄味は全く発揮されておらず、せっかく果たした"競演"は単なる"共演"に止まったと言わざるを得ない。

 映画には質というものが存在する。自分の興味や嗜好に合わない作品でも、脚本や映像に何か気品の様なものを感じ、ついつい見入ってしまうものだ。アル・パチーノとロバート・デ・ニーロ2人の70-90年代前半迄の作品にはそのような最低限の質や、尊厳のような威風漂う香りが保証されていた。自分に興味のないジャンルでもこの2人が主人公であれば、そう大した話でなくても見入ってしまう強烈な引力が作品にあったのだ。

 それが本作ではどうだろうか。冒頭から2人が同じショットに収まってはいるのだが、画面から全くパワーを感じないのである。映像もサウンドも安く、お手軽映画臭が開始3分くらいで漂い始めていた。ストーリーもN.Y.市警のベテラン、内部捜査、謎の連続殺人…と、何処かで聞いたことのある要素を繋いでいる感は否めない。最初からロバート・デ・ニーロが怪しい、怪しいと連呼すればするほど、ラストの展開は自ずと読めてしまう。

 鑑賞後、本編を思い返しても全くと言っていいほど語るシーンが無い、つまり見所が皆無なのだ。「ヒート」以来12年ぶりの共演だが、ゴールデンラズベリー賞にノミネートされ(アル・パチーノ)、評論家に酷評されたのも頷ける内容である。2人のネームバリューだけで観客が集まる時代は終わってしまったのか…??マイケル・コルレオーネやビト・コルレオーネのような、そこに居るだけで惹きつけられるキャラクターを、また生み出してほしいものだ。


■関連作品■
ゴッドファーザー ★★★★★
ゴッドファーザー Part2 ☆Great Movie☆
ゴッドファーザー Part3 ★★★
ヒート ★★★★
オーシャンズ13 ★★★

スポンサーサイト
テーマ:映画感想
ジャンル:映画
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック