パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ第3弾。全編見せ場の連続で料理で例えるなら、最初から最後までステーキばかりのコース料理を食べたような気分。そんな豪華さと胃もたれ感を味わえる、ゴージャスで贅沢なA級エンターテイメント作品だった。
前作「デッドマンズチェスト」が世界歴代興行収入第3位という爆発的な大ヒット!!にも関わらず子供置き去りにするかのような難解な脚本。そしてディズニー配給なのに演出もわりとグロテスクなのは、シリーズらしさというべきか、こだわりなのか。
「1」のときからそうだったがこのシリーズ、パーレイ(交渉)という行動がひとつの見所で、パーレイ次第で味方が敵になったり敵が味方になったりする。ジャック・スパロウは口八丁手八丁の世渡り上手なので常に相手の裏・上をいくいわばパーレイの達人、その軽やかさこそが彼の魅力だ。
今作では中盤あたりからこのパーレイの要素が加わってくるのだが、寝返りが速すぎたり、キャラクターが多かったり、嘘なのか本音なのか台詞もサラサラとながれるので、「いまのシーンよく分からなかった、この人物は何のために誰のために戦っているのか」ということが何度もあった。しかし最新のVFXを惜し気もなく使用した迫力の戦闘シーンを迎えればそんなことを忘れ、なんとなく流れにのってスッキリしてしまう。1回で理解できた人は読解力に長けていると思う。パーレイの部分は2回目以降に注意しながら理解するのが楽しめるかも。
前述のように今回はキャラクターが多いため、広角で撮るショットも多かった。画面に何人もの人物が同時にスクリーンに映し出されるためその情報量たるやすごいもの。どのシーンを一時停止しても画になり、ジェフリー・ラッシュが1番出演カットが多かった気がする。
また人数が多いとそれだけ個々の描写は少なくなる。そういう意味では今作ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)に期待した人は不満気で、バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)にした人はバンザイものだっと思う。それでも1人1人のエピソードを短い時間のなかで積み重ね、上手に均等に活躍箇所を描いたのはウィル、エリザベス、デイヴィ・ジョーンズそれぞれのファンを大事にした心意気が感じられた。
最後に。「ワールドエンド」ではジャック・スパロウが海の墓場で彷徨い、何人ものジャック・スパロウがいるという奇妙で幻想的な世界に浸るシーンがある。それはどのシリーズでもなかった明らかに空気感の異なる演出であり、別のアート系の映画を観ているかのよう。それはゴア・ヴィンスキー監督の最初から望んでいたものなのか、誰かの入れ知恵なのか??ジョニーデップが何人もでたり小人化したりとデビッドリンチ作品を思い起こさせた。老若男女が楽しむ作品で、なんてシュールなんだ!!と笑うどころか、カルトでバカバカしい演出に製作陣の作品に対する愛のようなものを感じられずにいられなかった。
■関連作品■
パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち ★★★パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト ★★★パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド ★★★
今日やっと観てきました、わたしは3が一番好きでした。
ジャックの幻想のシーン、確かに異質でしたね、音楽も独特だったし。
まさにおっしゃる通りリンチ世界の不条理な映像でしたね〜
2での疑問を一気に解決に持っていかないといけない為に
結構詰め込みすぎな感はありましたね。
それでも片時も目を離せない展開はすごかったですけど。
が、あれだけフューチャーされていたチョウ・ユンファの
出番が思ったより少なかったと思うのはわたしだけでしょうか…。
でもあのラストシーンはステキでしたね、とってもロマン
ティックでした。