瞳の奥の秘密 [DVD]瞳の奥の秘密 [DVD]
(2011/02/18)
リカルド・ダリン、ソレダ・ビジャミル 他

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 久しく「これぞ映画!!」という作品に巡り合っていなかったが、「瞳の奥の秘密」はまさにその形容に相応しい傑作だった。ラブロマンスあり、サスペンス、ミステリー、コメディ、ノスタルジックありと様々なジャンルを絡めても上質なバランスを保つ、正に”映画”を観たという感じにさせられたのだ。




*****以下、ネタばれ注意*****




 伏線を上手に使いながら迎えるラストの展開は、全く予想し得なかった着陸地点である。
「彼に何か喋るように言ってくれ」
「助けてくれ」と懇願するのではない、その台詞にゾッとしたものだ。20数年間の幽界生活、食事を与えるだけのリカルドとの距離を容易に想像できる、ゴメスの言葉は重い。ここで物語が終わっていたら極上のミステリーだが、その後の決意を固めたベンハミンと満面の笑みで受け入れるイレーネの表情に希望やなにか救われる思いがした。どこでエンディングを迎えるか。エンディングは映画の顔とも言えるものだが、今作ほどそれを思わせるものはない。後味や全体からの印象が全く異なっていただろう。

 25年前の全貌が分かった後にもう一度鑑賞すると、新たな発見が多数浮かび上がってくる。ドアの開け閉め、イレーネのペンを振る癖、好きな人を見つめる目、写真立て、印刷されないタイプのA、手に持っていたお皿、本棚に医学関連の本、さり気ない伏線が後に繋がるのは快感である。結末や本心が分かった後の登場人物の動きも面白い。タイトル通り、正に瞳の奥に真実が映っていることが解る。

 アルゼンチンという、普段は全くと言っていいほど接しない文化圏の映画だが完成度の高さに驚いた。俳優陣の演技、25年をスムーズに往来するメイクアップ、サッカースタジアムでの一連の長回し等、終始感心しきりの作品だった。
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テーマ:映画感想
ジャンル:映画
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