シリアスマン ★★

 コーエン兄弟作品でも好きな部類の作品とそうでない部類のものが、自分の中ではっきりと分かれていることを再確認できた。「ファーゴ」「ビッグ・リボウスキ」「ノーカントリー」「バーン・アフター・リーディング」等は好きな方で、「オー・ブラザー」「ディボーズ・ショウ」「レディ・キラーズ」等は苦手な方で、同じ作家の作品群でもここまで好みが異なるのは珍しいなと思ってしまったのだ。「シリアスマン」はどちらかと言えば後者の部類に入りそうであり、決して悲観をするわけでもないが作品の流れに乗れなかったのは寂しい想いである。裏を返せば、それほど作品毎に幅広い色があり、「ノーカントリー」であらゆる賞を総なめにして、「バーン・アフター・リーディング」でハリウッドスターを好きなように操ってたとしても、「シリアスマン」のようにインディペンデントっぽい映画を作ってしまうところ。周囲の喧騒に惑わされず独自のスタンスを貫いている部分が、多くの観客や俳優に愛される理由なのかなと思ったり。


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フランシス・マクドーマンド、スティーヴ・ブシェーミ 他

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「シリアスマン」がコーエン作品の中でも苦手な部類に入ってしまったのは、自分の知識不足に起因している。今作の主人公のラリーはユダヤ人であり、彼に次々と起こる不幸事を描いているのだが。。。ユダヤ人を取り巻く慣習が劇中では多く登場し、その描写についていけなかった。ユダヤ人コミュニティーの指導者”ラビ”について、13歳での成人の儀式、冒頭の寓話を始めとして概念や信条が理解出来なかったのである。




*****以下、ネタばれ注意*****




 それにしても今作の主人公は受難続きだ。救われる描写は皆無に等しく、夢でも悪い事柄しか起こっていない。冒頭の言葉通り「身に降りかかるあらゆるものを受け入れよ」ということか。迫りくる竜巻と自分の健康に対する良からぬ知らせ…このラストに関しては、生徒の評価を改竄した直後に転じた事象だ。因果応報といえばそれまでだが、静かに近寄ってくる巨大な竜巻は、先の読めない人生そのものであり、味わい深い余韻を残している。


■関連作品■
ノーカントリー ★★★★
バーン・アフター・リーディング ★★★
レディ・キラーズ ★★
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