ダークナイト ライジング ★★★★

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(2013/11/06)
クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン 他

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*****以下、ネタばれ注意*****




 原題の「rises」。”立ち上がる”、”蜂起する”といった意味があるが、「ダークナイト ライジング」では完結編に相応しいキャラクター達のrisesが観られる。「希望があるから、真の絶望がある」ベインの劇中の台詞が頭をよぎった。前作「ダークナイト」で背負った偽りの希望。真実を知ることで一度は絶望するが、人は何度でも立ち上がることができる。「バットマン ビギンズ」で井戸の中から父親に助けられたブルース・ウェインが自らの力で、絶望=奈落の底から這い上がったときに、ダークナイト・トリロジーの命題のひとつを越えた気がした。


■監督の願望と爽やかな後味

 徹底したリアル路線を貫いた前作「ダークナイト」と比べ、「ライジング」ではゴッサムシティ全体が崩壊する様や奈落の描写等いささかコミックらしい展開であり、どちらかと言えば「ビギンズ」の色に近い印象をうける。それだけ前作が異色過ぎたとも言えるが、重厚な雰囲気を出しつつも最後を爽やかな展開にしたのは、バットマンに徹底的なストレスを与えいじめ抜いた監督の切なる願望が見てとれる。クリストファー・ノーランの作品の中でも、これほどすっきりしたラストはない。両親を殺害された復讐心、幻想の希望の為に罪を被るダークナイト。ゴッサムに真の解放をもたらし、自らの呪縛から解き放たれたブルース・ウェインのシルエットを観ると万感の思いに浸ってしまう。


■重みのあるアクションは…??

 タンブラーやバットポットでのチェイスシーンなど、クリストファー・ノーラン監督の撮るアクションには重力を感じる。言葉を変えると一種の”重み”を感じるのだ。それはCGに頼ることなく極力、実際に動かす破壊することで成り立つリアリティへのこだわりからだと思う。今作でもスタジアム爆破やザ・バットでのチェイスシーンがあるのだが、何故かリアリティに欠け軽く見えたのだ。ダークナイトでのバットポットが登場するシーンなどでは劇場で絶叫しそうなくらい興奮したのだが、そのように展開的にも心底熱くなるような見せ場がなかったのは非常に残念である。

 肉弾戦に拘ったバットマンVSベインの2回に渡る壮絶なファイトはそれまでのシリーズにない描写だ。ベインの背骨クラッシュや柱に向って強パンチを連打する様は面白い。トリッキーな技はキャット・ウーマンの、セリーナ・カイル担当にしたのもキャラクターの個性が際立ち○。またバットポットでタイヤの軸方向が変化するドリフト走行。ダークナイトでは1度あった動きだが、ライジングではそれが何度も観れたのは嬉しい限りである。あのよく分からないタイヤの動きと構造はしびれるものだ。


■3部作構成における2番目の面白さとは??

 人によって意見は分かれるが、ダークナイト・トリロジーの中では2番目の「ダークナイト」が1番好きである。初めから3部作製作する予定のない映画において2番目に作られる作品には傑作が多い。ターミネーター2、スパイダーマン2、エイリアン2、ゴッドファーザーpartⅡ等々…。そしてそれを踏まえてのパート3は面白くないこともこれまた多いのだが…「ダークナイト・ライジング」という、いわば結にあたる今作は、それらパート3は駄作という法則からは外れた良い締めの映画だった。2番目が面白いのは、登場人物紹介の時間を省略でき、またオチもどこか完璧に締める必要が無いせいではなかろうか。社会現象にまでなったダークナイトの放つ異彩な空気は、3部作の質を高めると同時に稀な傑作であったのだと今更ながら感じてしまった。


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