綱引いちゃった! ★★★

綱引いちゃった [Blu-ray]綱引いちゃった [Blu-ray]
(2013/05/22)
井上真央、玉山鉄二 他

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大分県民は楽しめる映画


 私は大分出身の大分在住者である。そのような人が鑑賞する「綱引いちゃった!」と、その地に所縁が無い人が鑑賞する今作とでは少し趣きが違うような気がした。例えば、私が大分出身や在住者でなかった場合、今作を映画館で鑑賞するだろうか??否である。それは劇場鑑賞に限らずDVDでもスルーしそうな勢いである。

 今であれば「悪の教典」なんかが観たいのが本音だ。先生が生徒を血祭りにあげる、なんとも毒の強い作品。「美味いものには毒がある」ではないが過激なもの、反モラルなものは注目を集めやすく、どんなものか食したいところである。その対極に位置するのが今作だ。ご当地映画、ひねった展開もない、過激な描写もなければ、キスシーンすらないというのは最近の邦画では異質なものだろう。しかしそれでも今作に肩入れしたくなるのは大分県民だから。綱引きを通し、女性の人生讃歌を描くある種の群像劇。大会の結果を中心に据えるのではなく、それまでの過程に重きを置き、笑いとほどよい感動の連続に鑑賞後はほっこりとした気分になる。全国的な興行収入を考えるとヒットは難しいだろう。それでも身近な場所がロケーションとなり、夜9時開始の会でも多くの観客で埋まった劇場内を眺めればそれだけでも嬉しい気分となった。他県の人にお奨めする際の言葉かけが難しいが、毒にまみれた映画も良いがたまには原点回帰、ほっこりとした気持ちになれる作品をどうぞ。。。というのが1番効果的な気がした。




*****以下、ネタばれ注意*****




 「綱引いちゃった!」で最も好感が持てたのは、安直なハッピーエンドに着陸しなかったところである。綱引き大会県大会優勝は達成できず、給食センターは閉鎖となり、千晶と公雄との恋愛も成就したかは不明だ。つまり結果ではなく、それでまの過程や苦境に立った際の周りのサポートが重要であると作品は説いている。夫の失業、息子との確執などチーム綱娘には様々なストレスが降りかかるが、認知症である笹野高史の笑える振る舞いもあり、そこまで深刻には描おらず、それらをさっぱりと解決させているのも後味の良さを際立たせる。「女は弱しされど母は強し」の言葉に代表されるように、正に女性を全面に押しだした映画だ。井上真央のキュートさ、「ハゲタカ」とはまるで違うコミカルさをみせた玉山鉄二の演技も見逃せない。また大分市ロケーションオフィスの方の頑張りに敬意を表したい、これで少しでも大分がPRできたのでは、と思ったり。


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OUT ★★★
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