ヤング≒アダルト ★★★

ヤング≒アダルト スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]ヤング≒アダルト スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
(2013/02/08)
シャーリーズ・セロン、パットン・オズワルト 他

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ジェイソン・ライトマンの目線は、冷静で正直で、そして温かい。


 ジェイソン・ライトマン監督、そして脚本のディアブロ・コーディはおたくの味方だ。





*****以下、ネタばれ注意*****




 ヌーブラ姿のシャーリーズ・セロンと下半身が不自由なフィギュアおたくがベッドインとは、なんとも夢のある展開ではなかろうか。冴えない役とはいえ、マットを演じたパットン・オズワルドが羨ましい。

 「ヤング≒アダルト」の主役は大人になり切れない大人。10代の頃の栄光と過去に囚われ、そこから成長できないメイビス役をシャーリーズ・セロンが好演している。アラフォー女性の痛い日常や会話、バツの悪い瞬間の連続を描いているため共感できる人にとっては寒くなるシーンも多いはずだ。メイビスの恋人役がパトリック・ウィルソンだが、大人になれない大人という意味合いで、ケイト・ウィンスレットと激しい情事を行った「リトル・チルドレン」を彷彿させる。キャラクターの立ち位置といい、被る箇所は存分に多い。彼が妻へのサプライズプレゼントとしてドラムセットを叩いて登場するシーンは、”ヌーブラ”・セロンと並んで今作のハイライトだ。

 また、今作で気になったのはパットン・オズワルドの妹役を演じたコレット・ウォルフである。マーキュリーという片田舎の若者女子を軽妙に演じており、ラストでのシャーリーズ・セロンとのやり取りが印象深い。ミネアポリスに連れて行ってと嘆願する彼女に対しメイビスはここに残るよう冷たく諭すのである。私のようになりたければ、田舎の悪口を叩くのではなく自立し、自分の力で都会に来なさいというメッセージに受けとれなくもない。完全な改心ではないが、メイビスがミニクーパーのアクセルを踏み込む力強さに過去との決別が見てとれる。

 「JUNO/ジュノ」「マイレージ・マイライフ」「ヤング≒アダルト」のジェイソン・ライトマン監督は現実を深くえぐる観察眼と、どうしようもない人物を描く能力に長けている。今作でいえばメイビスの行動の痛さが目立っているが、少し角度を変えればスレイド夫妻の素行もそこそこ痛い。つまり、都会に出た高飛車女のメイビスだけではなく、田舎の人も同じように善人ではない、あくまでもフラットに描いているのだ。同情や展開に流されないジェイソン・ライトマンの目線は、冷静で正直で、そして温かい。


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